町田 社会
公開日:2025.12.25
支援“する”私と、支援“を受ける”私。不安を希望に、輝きに。
ことばの相談室 Hopal佐々木美都樹さん
「ことばが伝わらない」。そのもどかしさは、時として人と人との間に、見えない壁を作ってしまうことがあります。町田市で「ことばの相談室Hopal(ホパール)」を運営する言語聴覚士、佐々木美都樹さん(35)は、その壁を誰よりも深く知る一人です。※こちらの内容は町田市シティプロモーションサイト「まちだで好きを続ける」に公開されたものの一部です(10月16日更新)
ことばの支援を行う「専門家」であると同時に、難病を持つ息子さんと支援を「受ける側」でもある佐々木さん。「支援者の”意図”と、親の”不安”。その間に、こんなにも隔たりがあったなんて」-。専門家と母親、二つの視点を得た佐々木さんはその間に立ち、温かい「架け橋」になる道を選びました。佐々木さんを突き動かす想いと、このまちで活動を続ける理由を伺いました。言語聴覚士という道を意識したのは、どうしてだったのでしょうか?
「高校時代の知り合いに『側音化構音障害(そくおんかこうおんしょうがい)』という発音の癖が原因で、言葉が不明瞭な人がいたんです。例えば『し』が『ひ』に近く聞こえるなど、特定の音がくぐもってしまう症状で、日本語のはずなのに、話が聞き取れないことが、すごく衝撃で。言葉のキャッチボールがスムーズに進むというのは、日常生活でとても大事なことなんだと感じました。薬剤師である母にその話をすると、『言語聴覚士』という仕事があると教えてもらったんです」
この側音化構音障害は、幼少期の発音の癖の中でも自然に治ることが少なく、改善のためには言語聴覚士による専門的な訓練が必要になるといいます。「最初は通訳のような仕事だと思っていました」と、少しの勘違いはありましたが、言葉の重要性と面白さへの興味は揺るがず、北里大学へ。国家資格を取得し、八王子の病院でキャリアをスタートさせました。そこは、成人リハビリの現場で、病や事故で言葉の不自由を抱えた多くの患者さんと向き合う日々だったといいます。
「話す・聞くというコミュニケーションから、食べることまで、人が生きていく上で不可欠な営みを支えるのが私たちの仕事です。それは人の人生そのものに寄り添い、その喜びを支援させてもらっていることなんだ、と感じていました」
専門家としてキャリアを重ねる中、29歳で出産。息子さんは生まれつきハンディキャップを抱え、医療的ケアが必要でした。これまで「支援する側」だった佐々木さんは、息子さんと共に「支援を受ける側」に。そこで直面したのは、かつて自分がいた世界の、思いもよらない側面だったといいます。
「一番の衝撃は、支援者の意図が、親にうまく伝わっていないことでした。遊びを通して訓練していることが、親から見ると『ただ遊んでいるだけ』に見えてしまう。」
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