成人式当日、「店側と連絡がつかない」など騒ぎとなった振袖販売・レンタル会社「はれのひ」を巡るトラブルを受けて、八王子市は今月9日から13日まで、消費生活センター(東町)に特設相談窓口を設け対応にあたった。特設窓口の期間が過ぎた現在でも相談は続いているという。
特別相談初日の9日は同センターが入っているクリエイトホールの休館日のため本来は電話対応のみの予定だったが、臨時に午前9時からセンターを開けた。1月16日時点での相談人数は198件。対象者は市内在住・在勤・在学の人。新成人ではなく、契約者である親からの相談が多いという。多いのは今年よりも来年・再来年の予約をしていた被害者からのもの。これまで多い日で1日50件の問い合わせがあった。同センターは、通常午前9時から午後4時30分までの対応時間を午前8時30分から午後7時までに拡大。弁護士による特別相談も行った。また電話回線の増設や職員の対応人数を増やして対応にあたった。同センターでは「現金で一括払いしている方とローンを組んでいる方でも違うし、契約が一部だけ履行されているケースもある。カード会社によってキャンセルに関する規約も異なる」としており、対応は相談内容による個別のものになるという。その上で同センターでは「警察への届け出」「ローン会社への一報」「契約書や領収証の保管」などを案内している。問い合わせは同センター(【電話】042・631・5455)へ。
急きょ着付けに
成人式を所管する市教育委員会では当日、トラブルを知った職員が店舗周辺の被害者と思われる人から話を聞き、「手元に着物があり、着付けさえできれば何とかなるかもしれない」と考えた。着くずれを直すために来ていた市民スタッフから知り合いに声をかけてもらい、着付けができる市民8人が駆け付けた。6人に着付けを実施したという。うち3人は着付けに駆け付けた1人に借りた着物で成人式に出席した。
警察に相談320件
八王子警察署には18日正午の段階で320件の相談が寄せられている。被害総額は約1億円に上るという。成人式会場近くの八王子駅南口交番には、着付けの予約時間となる早朝4時から被害を訴える人が相次いで訪れ、一時は40〜50人が列をなしたという。人員を増やして対応にあたった。同署によると「(1週間以上経った)今でも店の前で涙ぐんでいる人を見かけた署員もいる」と話している。
市内の老舗呉服店の1つ「にしわ」(八幡町)は「本当に気の毒な話で、業界としての信頼にかかわる問題。同業としては信じられない」として、「(有志による成人式イベントによって)悲しい思い出が、少しでも楽しい思い出になれば」と話した。
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