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公開日:2019.06.20

女性防火協会が50周年
秋に式典 「防災」で活躍

  • 支部長ら幹部の会員たち。7日にあった総会にて

  • 防災訓練でのバケツリレー=提供写真

 家庭と地域の防災力向上を目的とする組織「八王子女性防火協会」(中嶋幸子会長/会員数494人)が今年、創設50周年を迎える。秋に記念の式典を開催する。仕事を持つ女性が増えたことなどを理由に会員数は減少しているが、その視点や家事で培った経験の活用などで、むしろ近年はその活動が注目されているという。

「視点」生かした活動 協力依頼増加中

 同会は1969年(昭和44)に発足。「家庭の防火は私たちの手で」をスローガンに、地域の防災訓練などでリーダー的な役割をこなす。

 主な会員は主婦で、町会からの推薦を受けて入会するケースが多い。定期的に消防署で防災や救護の講習を受ける。なお同会の会員数は女性防火組織の中では深川(江東区)に続いて都内で2番目に多い。

「炊き出しは得意」

 「私が入った頃は700人を超えていた。今は働いている女性が増えている時代。その分、活動の密度を高めていきたい」と中嶋会長。実際に会員が減少しているが、注目度は上がっているという。

 東日本大震災以降、市内でも防災訓練に力を入れる町会や自治会が増えた。そこで、防災についての知識が豊富な同会に協力の依頼がくることが多くなったそう。「初期消火や応急救護以外にも、災害時に必要になる『炊き出し』も得意です」と中嶋会長は普段の家事経験を生かした活動ができる点を強調する。

 会員たちが各地の防災訓練に協力することで経験を積み、それを自分たちの地域にもフィードバック。規模の小さな町会・自治会でも、しっかり経験を積んだ会員が町会役員を補佐している。「女性だからこそ、目が行き届くことも多い」と中嶋会長は自信を持つ。

救命経験も

 応急救護や防災について学ぶことは、日常生活の中でも役立つ。中嶋さんは11年前、自宅付近で交通事故があった際、心肺が停止した被害者に心臓マッサージを施して救命したことがあった。「何年も講習を受けているといっても実際に救護をするとなると不安になるもの。それでもいざというときは『自分しかいない』と思って取り組みました」と振り返る。

 中嶋さんによると、同様の話は同会の中で「年に3〜4件ほど聞く」という。会員個人が日ごろから救護の心得を生かしていることが伺える。

 同会の窓口であり、支援や助言を行っている八王子消防署では「会員個々が防災行動力の向上をめざして各種訓練に励むとともに、地域の女性防災リーダーとして活動してもらっており、地域から大きな信頼が寄せられています」と話した。

 なお同会は11月に記念の式典を予定している。

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