台町にある浅間神社(せんげんじんじゃ)本殿の新築工事がこのほど竣工した。平成元年(1989)に建てられた、かつての本殿は柱と屋根だけのものだったが、新しく造られたのは伊勢神宮などにみられる「神明造(しんめいづくり)」を採用した。31日(水)に関係者による奉告祭が執り行われる。
5年前から検討
浅間神社は慶長年間(1596〜1613)、大久保石見守(いわみのかみ)長安(ながやす)が塚を築いたのが起源とされている。宝永年中(1705頃)に社殿が壊れたが延享2年(1755)に石造りの社を再建した。ご神体はその260年前のもの。工事中は大事に守られ、今は真新しい建物の中に鎮座している。
「もっと立派なものにできないかと、5年くらい前から新築の話題は出ていました。ただお金がかかること。その空気にはなかなかなりませんでした」。筆頭宮総代の富田喜代志さんはそう振り返る。造られてから30年近くが経ち、傷みも見えてきた。
昨年秋、元号が変わるタイミングもあり「来年やろう」と富田さんが建替えを決断。「ちょうど平成になって建てられたものだったので。平成で終わるのもいいのではと」。募金活動については「5町会の氏子様に負担がかかるので最初はとても心配」だったそうだが、やってみると「予算以上のご奉賛をちょうだいいたしました」と深く感謝した。
大工の力 大きく
主な工事を担当したのは、寺院建築に携わった実績のある大工の森上秀男さん(千人町)だ。享保年間(1716〜1736年)から続く大工一家で、伝統木造技術の習得にも意欲を持つ。富田さんは縁があって森上さんの活躍を知り今回依頼した。「わざわざ奈良の木を使うなどとても大切に造ってくれた。いい仕事ぶりにみんなびっくりしています」と富田さん。森上さんは「寺の仕事をした経験が活きた。皆さんの気持ちをのせて造りました」と竣工を喜ぶ。
「祭りで見て」
なお31日は午後6時から恒例の例大祭(だんご祭り)がある。富田さんは「ぜひこの祭りにお越しいただき、新しくなった本殿を見ていただきたい」と呼びかけた。
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