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公開日:2020.01.09
多摩ブルー・グリーン賞
市内3社が受賞
3D、海外人材、植木の里親
多摩信用金庫(立川市)による「第17回多摩ブルー・グリーン賞」が発表され、八王子市内からは3社が受賞した。昨年12月に表彰式が行われた。ブルー賞は技術・製品部門で、グリーン賞は経営部門。いずれも地域経済の発展に貢献するものが選ばれる。
学識経験者などで構成される選考委員会によって独自性・市場性・成長性・社会性などの各項目を総合的に判断される。多摩地域とその周辺に拠点を置く中小企業などが対象。同金庫との取引がなくても応募できる。
今回応募があったのは135件。受賞したのは14件で、市内では3社。市内に2つの工場も持つ(株)舘野機械製作所(北区)も受賞した。
スマホで試着も
ブルー賞の優秀賞を獲得したのは2016年の創業当時から3Dスキャナーを開発してきた(株)VRC(明神町)。機械の中に入れば全身を0・5秒で撮影し、撮影データは20秒で3Dデータにできる。謝英弟(シェー・インディー)社長は「服を買うときにオンライン上では試着ができない。自身の体のデータと服のデータを組み合わせれば、スマホ上で試着ができる。サイズもわかる」と話す。「一般的に服の返品率は4〜7%と言われる。母数が大きいので相当な無駄が発生している」。すでにいくつかの商業施設などで3Dスキャナーが設置されており、オンライン試着は「2〜3年後。早ければ今年の後半にも」実現するという。
ほかにも、フィットネスでのダイエット成果を「可視化」してモチベーションを高める使い方などを想定している。
中国出身で日野市在住の謝社長。八王子で創業した理由は「製造業が強い地域」だからと話す。スキャナーの筐体も市内企業が作っている。「まずは日本市場、次は中国、最終的には世界規模で事業展開したい」と展望を話す。
労働環境を整備
「多摩みらい賞」を受賞したのは、産業用機器の設計、製作などにあたる(株)アトム精密(弐分方町)。4年前から進める、海外人材を活用した製品の設計、開発の実現が評価を受けた。専門部署を立ち上げ、海外人材が日本で負担少なく働ける環境を生み出している点や、培った海外人材の雇用ノウハウを多摩地域の企業らへ提供していることなどに支持が集まった。
「海外人材の受け入れを始めたことは、日本人従業員の教育体制を見直すことにもつながった。結果、営業利益率を17年時よりも10%以上伸ばすことができた」と同社。一瀬康剛社長は「少子高齢化が進むなかで、外国人材をいかに活用していくかが、私たち会社のテーマになると考えている。結果を残していきたい」と話している。
譲渡を仲介
同じく「みらい賞」を受賞した(株)やましたグリーン(下恩方町)は処分せざるを得なくなった、愛着ある植木を「新しい持ち主」へと仲介する活動が評価された。「大切な植木を処分するという悲しい思いをさせたくないという思いで始めた事業だったが、引き取った植木が新しい持ち主に移っていく過程で、新しいビジネスチャンスも生まれることになった」と同社の山下力人社長。7年間で500本を超える植木の仲介を果たしたと言い、今後は、この植物の命をつないでいく「植木の里親」活動を一つの文化にしていきたいとしている。
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