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公開日:2020.05.08

八王子市
「野生獣」窓口を一本化
市民に分かりやすく

  • 市内で捕獲されたイノシシ

 八王子市は今年度から、市民らの分かりづらさを解消するため、野生獣対策の窓口を一本化した。新設された獣害対策課の須藤文夫課長は「我々の業務の効率化にもつながると考えている」と話している。

 市には元々、野生獣に関する窓口が複数存在していた。アライグマなど外来生物の駆除は市環境保全課が担当し、野生獣による農作物被害の対策は農林課。そして、イノシシなどが市街地へ出没し人に危害を与える可能性がある場合は防犯課が出動するなど、だ。そのため、以前より市民から「分かりづらい」という声が挙がっていたため、市は昨年度から窓口の一本化に向け調整を重ねてきていた。

 須藤課長は「これまでであれば、例えば外来生物であるアライグマが市街地の空き家に住みついた場合、環境保全課がいくのか、防犯課が担当するのか市役所内で混乱が生じる可能性があったが、窓口が一つになったことで今後はそのようなトラブルを避けることができると思う」とプラスの要因を口にしている。

増加傾向

 野生獣が市内に出没する件数は増加傾向にあるようだ。主な野生獣、6種(イノシシやサル、アライグマなど)の市内捕獲頭数の合計をみると、2017年度の522頭から3年連続で増加。昨年度は速報値で970件に及んだという。なかでも、東京都の計画に沿って駆除にあたる外来生物のアライグマ、ハクビシンの捕獲頭数はここ数年増加傾向にある。「昨年度は、台風で山中が崩れ餌が取れなくなったイノシシなどが食料を求め街に降りてくることが多かった。野生獣は恩方や高尾などの山に囲まれた地域だけでなく、南大沢の方でも数多く見られる。市民の皆さんには注意してもらいたい」と市担当者は呼びかける。

共存目指す

 そして市の方針とするのが人と野生獣の共存。動物たちが田畑に入れないように電気柵をつくったり、動物たちの餌となる生ごみを市民にしっかり管理してもらうよう呼びかけ、野生獣が街へ来ないようにするなどしていきたいのだという。「ただ、市だけでは野生獣問題に対応するのは困難。今後も市民の皆さんの協力が欠かせません」

 新しく設置された、市内の野生獣に関する相談窓口は同課【電話】042・620・7375。

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