大本山高尾山薬王院「貫首(かんす)」就任を祝う「晋山式(しんざんしき)」を、4月6日に迎えた佐藤秀仁(しゅうじん)僧正(51)。高尾登山電鉄の清滝駅前で執り行われた山麓式典で、佐藤貫首は参列者を前に感謝を表し、地域の人々の安穏を祈念した。第三十三世の「主」として、新しい一歩を踏み出している。
木遣り・獅子舞で慶祝
貫首を27年間務めた大山隆玄大僧正が2020年12月に退任し、その直弟子として後任を託された佐藤貫首。高尾山の歴史上では、地元出身として初の山主となった。
6日朝、晋山奉告法要の徒歩練行として、緋色の法衣をまとった佐藤貫首は住職を務める高楽寺(狭間町)を、山伏らと共に出発。仏の教えを修め、楽しみを味わう「法楽」を御嶽神社、高尾名店街で執り行った後にお祓い。高尾山表参道を通り、八王子消防記念会のメンバーや衣装を着た横川幼稚園の園児たち、大勢の関係者や登山客が出迎える高尾登山電鉄の清滝駅前へ。佐藤貫首の到着に、会場は一気にお祝いのムードが高まった。
山麓式典では桜花を背景に、同会による木遣りをはじめ、獅子舞演舞が披露された。「この感激と感謝の気持ちは私の魂に刻まれ、今後ことあるごとによみがえって勇気と自信につながっていく」と佐藤貫首。温かいおもてなしに対し、喜びをあらわに。「この地域で育ち、そして地域の皆様に育まれながら修行を続けてまいりました。このご恩に報いるために、皆様の安穏と健やかな暮らしをこれからも祈り続けていきたい」。八王子市で過ごし、1990年に薬王院へ入山。これまで歩んだ日々にそっと思いをはせた。
山上の薬王院へと練行を続け、大本堂では法要を執行。参列者らは各々の思いで合掌した。
天平16(744)年に開山した高尾山薬王院。真言宗智山派の寺で「成田山新勝寺」「川崎大師平間寺」と共に関東三大本山として知られる。
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