八王子商工会議所（樫崎博会頭）は、退職を控えたシニア人材と会員企業をマッチングさせるウェブサイトを開設。９月２日の会見でお披露目した。人材確保に悩む会員企業と、定年後に地元で働きたい経験豊富なシニア人材をいち早く結びつけるのが狙いだ。

　新しい人材マッチングサイト「シニアのちから ｉｎ Ｈａｃｈｉｏｊｉ」は、同会議所の会員企業限定で求人に関するサービスを無料提供する試み。同会議所では、会員の中小企業の人材不足解消に貢献しようと、同サイトの立ち上げに向けた検討を重ねてきた。

　２日の会見で、樫崎会頭は「足掛け３年で発表にこぎつけた。八王子商工会議所として人材確保は４つの柱の一つ。会員企業およそ４３００社のためになる事業を実現するために、全国に偏在する人材をどうやって確保するか議論してきた」と強調。事業を担う「人材登録バンク検討委員会」委員長で、同会議所の副会頭・下田直啓氏は「これから定年退職を迎える人たちが主なターゲット。シニアのセカンドライフ充実と、会員企業の人材不足解消を目指す」との方向性を示した。

八王子での再就職支援

　同会議所は会員企業とシニア求職者に向け、同サイトへの登録を呼びかけている。登録すると、会員企業はウェブ上での文字入力による対話「チャット」で、求職者と連絡をとることが可能に。求人情報を掲載することもできる。

　求職者の登録条件は満59歳以上としているが、整理解雇や早期退職希望、勤務先の倒産などで退職が決まっていれば、年齢に関わらず在職中でも登録できる。個人情報に配慮し、本名ではなくニックネームで簡易に手続き。掲載中の求人情報を見て、気になる会員企業があればチャットを送信できる。

　いずれも登録料は無料で、企業と人材のマッチングが成立した場合も手数料などは発生しない。

　樫崎会頭は「サイトをきっかけに会員を増やし、デジタル化を推進していく」と構想。「全国５００カ所以上ある商工会議所のネットワークを生かし、求職者（の登録）を増やして、ゆくゆくはどの地域にいても使えるような仕組みにできれば」と展望を語った。