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公開日:2022.11.10
宇津貫みどりの会
開発から自然守り30年
歩みまとめ、記念誌発行
宇津貫緑地(七国)の里山保全活動を行う「宇津貫みどりの会」が昨年30周年を迎え、10月6日、記念誌を発行した。みなみ野や七国などの「みなみ野シティ」開発から自然を残そうと発足した同会。事業者との交渉、署名活動や緑地に生息する動植物についてなど、30年の取り組みをまとめている。
宇津貫緑地は、七国などが住宅地として開発される以前からあった緑地帯。広さ約16ヘクタールのうち10ヘクタールは動植物保護の観点から立ち入りを禁止する市の特別保存ゾーンとなる。
主婦15人で発足
同会は8月を除く毎週1回程度、宇津貫緑地の間伐や腐葉土整理などの保全活動を展開している。現在の会員数は48人。男性が半分以上を占めているが、設立当初は地元の主婦15人だったという。
設立は1991年10月6日。八王子ニュータウン(みなみ野シティ)開発工事が始まった頃だった。発足当時のメンバーでもある城所幸子会長は「殿台の桜の木が伐採されると聞き、先代会長たちの『何とか残せないか』という思いが、発足のきっかけだった」と振り返る。
当時、同会が町内でアンケート調査を行い「地元移植要望樹木リスト」を作成。開発事業者へ提出したこと、通称ナシノキ沢と呼ばれる水田耕作地跡の保全を求め約1900人の署名を集めたことなどが記念誌に記されている。城所さんは「事業者との話し合いは何度も行われ、発足当初は戦いの歴史だった。緑と水に関する熱い気持ちが会の原動力となっていた」と思いをはせる。
植物671種が生息
開発工事終了後、同会は市の支援を受けて宇津貫緑地の自然の保全を中心に活動を続けている。
同会が2020年までに行った調査によると、緑地に生息する維管束植物は671種類。国や東京都が指定する絶滅危惧種は50種を超えるという。城所さんは「季節ごとに変わる花を楽しみに活動している」と笑顔を見せる。「緑地は放っておいたら維持できない。活動を知ってもらい、ここが故郷となる次の世代につなげていきたい」と力を込めた。
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