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公開日:2023.07.06

八王子市
民間力で脱炭素推進
住宅・学校 新事業スタート

  • 小学校の手洗い場(イメージ)=神奈川県内

 脱炭素社会を目指し、八王子市が昨年2月に掲げた「ゼロカーボンシティ宣言」。今年度の新たな取り組みとして、民間の力を活用した環境配慮型の住まいづくりモデル事業や、小中学校の照明LED化が始動した。

子安団地跡地事業者を公募

 市営住宅子安団地跡地の売却先について、市は従来の競争入札ではなく公募型プロポーザル方式で事業者を選定。環境配慮型住宅の整備や街区の住環境整備、市内事業者の参画が募集要項に含まれ、市が掲げるゼロカーボンシティの実現につなげるのが狙いだ。

 6月に募集要項が公表され、8月14日まで応募を受け付けている。1次、2次審査を経て、優先して契約交渉する最優秀提案者と次点を11月までに決定。来年2月の市議会定例会へ議案提出される予定となっている。

照明LED化CO2減6割

 二酸化炭素と光熱費の削減を目指し、市は「ESCO(エスコ)(エネルギー・サービス・カンパニー)事業」による小中学校の照明のLED化と自動水栓化を進める。同事業は省エネルギーにかかる経費を、改修後の光熱水費の削減分の範囲内で確保。経費を追加せずに工事や維持管理を行う。

 LED化の対象は全ての市立小中学校の照明で、教室や体育館、廊下など児童・生徒が日常的に使用する場所。点灯時間が長く、学校施設全体の約7割にあたる照明5万7千カ所ほどをLED化するとしている。自動水栓化では、最大約2万2千カ所の屋内の水栓が対象となる。

 導入効果として、市は光熱水費と二酸化炭素の削減をそれぞれ試算。昨年度実績に基づき、1年間の電気代と上下水道代を合わせた光熱水費を約1億8900万円と想定。ESCOサービスの利用で約4600万円削減し、15年間で約6億8千万円削減できると見込んでいる。

 二酸化炭素の削減については、照明のLED化により排出量を約6割、1791トン削減すると試算している。

 プロポーザルにより市は先月、ESCO事業の最優秀提案者を東芝エレベータ(株)に決定した。基本契約を今月交わし、10月までに詳細調査と設計を行い、12月に着工。2025年3月までに完工予定だ。同年4月から15年間、ESCO事業サービスを利用する予定だ。サービス利用料は、全校の施工が完了している25年度から発生する。

 新たな基本構想・基本計画「八王子未来デザイン2040」で市が掲げる取り組みの一つ「カーボンニュートラル」。2050年までに二酸化炭素排出の実質ゼロを目指す取り組みで、石森孝志市長は「これからも民間事業者と連携し、新たな手法を導入しながら、ゼロカーボンシティ実現に向けて取り組んでいく」としている。

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