八王子 人物風土記
公開日:2023.10.12
今夏の世界大会で優勝した「桑都ダブルダッチクラブ」の代表を務める
原竹 純さん
暁町在住 43歳
スーパーヒーローになれる
○…2本のロープを巧みに操る縄跳び競技「ダブルダッチ」。市立第一小などを拠点とするクラブの代表だ。中学生チームの2つが、今夏アメリカで開催された世界大会に出場。それぞれ金賞や銅賞を勝ち獲った。指導者としてうれしさはひとしおだが、「種目を絞ったおかげでいい結果は出たが、もっとやれるはず」と選手たちにさらなる期待を寄せる。
○…ダブルダッチとの出会いは高校時代。自信を胸にサッカー部に入部したが、推薦組の段違いの技術に圧倒されてしまい、挫折。「他に熱中できるもの」を探していた。そんなとき、タレントの木村拓哉さんが外国人たちと生き生きとダブルダッチをするスポーツ飲料のCMを見て、「これだ。これなら一番になれるかもしれない」と電撃が走った。
○…「本場で学びたい」と24歳で渡米。目的の一つは、「CMで見た外国人たちに会うこと」だった。ツテも何もない青年がとった行動は「Double Dutch」と書いた帽子とロープを装備し、タイムズスクエアをひたすら歩き回ること。「今考えると本当に無謀でしたね。でも結局会えたんですよ」。渡米して5カ月後、ついに「ダブルダッチをやってるのか」と声をかけられた。ついて行った先で、あのCMの出演者の一人が迎えてくれたのだ。
○…2度の国際大会優勝のうち、2回目の優勝は、そのアメリカ人チームの一員として参加したたものだ。こうしたチャレンジ精神や文化交流の大切さも、教え子たちに伝えていきたいと願う。クラブを立ち上げて13年。「ミスがわかりやすい競技である分、ノーミスでやり通したときの観客の歓声はたまらない。その瞬間、みんなスーパーヒーローになれるんです」
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