任期満了に伴う八王子市長選挙が1月21日に投開票され、いずれも無所属新人の5人が立候補する混戦を制し、元東京都職員の初宿(しやけ)和夫氏(59)=自民・公明推薦、東京維新支持=が初当選を果たした。自民党派閥の政治資金問題による影響も予想されたが、前都議の滝田泰彦氏(41)=立民・共産・社民・ネット支持=、前都議の両角(もろずみ)穣氏(61)、会社員の服部貴之氏(40)、派遣社員の鎌田孝之氏(58)は、初宿氏を後押しする与党系の支持基盤を崩すには至らなかった。投票率は過去ワースト2番目だった前回(2020年)を7・2ポイント上回る38・66%。
石森孝志市長(66)=3期=が4選不出馬を表明し、新人5人が相次いで名乗りをあげる事態となった今回の市長選挙。石森市長から後継指名を受け、市政の継承と発展を訴え選挙戦に挑んだ初宿氏の陣営には、地元選出の萩生田光一衆院議員をはじめ、菅義偉前首相や小池百合子都知事らが応援演説に駆け付けた。
選挙戦で初宿氏は、都の健康危機管理担当局長時代に取り組んだコロナ対策など、都庁での35年にわたる行政経験を強調。学校給食費無償化や戦略的な企業誘致による雇用創出などを掲げ、国や都との連携もアピールして支持を広げた。
市政の継承と発展誓う
投開票日当日の午後10時40分過ぎ、開票速報で初宿氏の当選確実が伝えられると、選挙事務所は歓喜の声に包まれた。あいさつに立った初宿氏は「厳しい選挙戦となったが、政治経験のない私を支え、押し上げていただいた皆様のおかげで勝つことができた」と支持者らに感謝を述べ、「市民と作り上げた『八王子未来デザイン2040』の実現など市政をしっかりと引き継ぎ、多摩地域だけでなく、日本のリーディングシティを目指したい」と新市長としての意気込みを語った。また真っ先に取り組みたい施策として、能登半島地震を受け「災害時の避難先となる小中学校体育館の空調機設置」を挙げた。
次点となった滝田氏は「古い政治体質を改め、市民が主役のまちづくりを」と訴えたが及ばなかった。落選の報に「超党派で支援をいただいたが、力及ばず申し訳ない。ただ、こうして立場を超えて色々な方が集ったのは、八王子の政治の中でかつてなかったこと。次の動きにつなげていきたい」と支持者らに頭を下げた。
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