能登半島地震で発生した災害廃棄物の受け入れが9月27日から都内3カ所の清掃工場で始まり、多摩地域では館町の館クリーンセンターが最初の受け入れ先となった。今後は多摩地域すべての清掃工場で受け入れていく。
震災からの復旧が進む石川県では、被災した建物の解体に伴い発生する災害廃棄物の量が当初の想定を大幅に上回ることが見込まれており、その処理が課題となっている。このほど都が国と石川県から災害廃棄物広域処理の協力依頼を受けたことから、東日本大震災や令和元年東日本台風の際に災害ごみの受け入れ実績のある八王子市も被災地の早期復興に寄与するため支援を行うことを決めた。
初日は4・1トン搬入
都は横浜市、川崎市と連携し、2025年度末(26年3月31日)までに最大4万トンを受け入れることを計画している。
都内での受け入れ初日となった9月27日には、午前中に館クリーンセンターと大田区の大田清掃工場、午後に羽村市の西多摩衛生組合環境センターに計24トンの災害廃棄物が運び込まれた。
館クリーンセンターには石川県輪島市と珠洲市から、解体家屋を破砕処理した木くずなどの可燃性廃棄物約4・1トンが搬入された。同センターは「焼却状況を確認しながら処理するため、市内の家庭ごみなどと合わせて5%の割合で焼却していく」と説明。今後は毎月、都と協議をしながら、通常の処理業務に影響の出ない範囲で災害廃棄物を受け入れていくという。
災害派遣で5、6月に被災地を訪れ、現地の状況を目の当たりにしてきた市清掃施設整備課の後藤浩二さんは「市民の理解をいただきながら、八王子市としても被災地の1日も早い復興にできる限りの支援をしていきたい」と語った。
初の鉄道輸送
また今回は災害廃棄物の広域処理としては初めて、都内への鉄道輸送が採用された。
石川県で廃棄物をコンテナに積み込み、荒川区のJR隅田川駅でトラックに積み替えて各清掃工場へ運搬。館クリーンセンターで運搬車両の到着を確認した日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)の担当者は「初めての試みで、無事到着してほっとしている。被災地の復興に少しでも役立てば」と胸をなでおろした。コンテナは、東日本大震災の際に使用し横浜市が保管していたものを今回の広域処理のために改修して活用したという。
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