八王子 トップニュース社会
公開日:2025.11.06
プログラミング親子大会
小林さん、山下さんWグランプリ
応募総数100件の中から
八王子の小学生を対象にプログラミング教育の普及を目指す「第5回八王子プログラミング親子大会」が先ごろ東京たま未来メッセ(明神町)で行われ、小林秋(しゅう)さん(第五小4年)がプレゼンテーショングランプリ、山下凛久(りく)さん(散田小6年)がアイディア・技術グランプリを受賞した。
この大会は、プログラミングをもっと身近に感じてもらうことを目的に普及活動を行うボランティア団体「八王子プログラミング親子大会実行委員会」が主催。市内のITサービス開発会社やプログラミング教室などが実行委員を務め、2021年から毎年開催。今年で5回目を迎えた。
親子共作もOK
大会の参加資格は、八王子市内在住または市内の小学校・義務教育学校・プログラミングスクールに在籍する1〜6年生。児童だけの作品でも、家族と作った作品でもどちらでも応募可能。プログラミングでゲームを作る「ビギナーズ部門」と「オリジナル部門」、自作ロボットを製作する「ロボット部門」の3部門がある。
今年2月からエントリーの受付が開始され、応募総数は計100件。その中から8月に審査が行われ、協賛企業賞など23人を決定した。
「好き」と「興味」が爆発 グランプリ受賞者に聞く
東京たま未来メッセで9月28日に決勝大会が開かれ、「オリジナル部門」受賞者のプレゼンテーションと「ロボット部門」受賞者のデモンストレーションが行われた。
協賛企業からの投票が最も多かったプレゼンテーショングランプリに小林秋(しゅう)さんが、審査員が技術的な側面から選んだアイディア・技術グランプリに山下凛久(りく)さんがそれぞれ選出された。
家族も全力サポート
小林さんが作ったのは「中央線運転シミュレーター」。大月駅から出発する電車を操作して、速度や残り距離に注意しながら八王子駅のホームにぴったり停車することを目指す。車両の見た目や走行音にまでこだわった作品は見事、八王子IT協同組合賞を受賞。さらに決勝大会でお手製の「台本」を手に作品について解説した内容と堂々とした姿が評価され、プレゼンテーショングランプリにも選ばれた。
「台本」づくりに協力したのは父・研司さん。母・芳美さんも自宅で行ったプレゼンテーションのリハーサルでアドバイスをしたという。家族ぐるみの受賞となったが、両親は「プログラミングはまったくわからない。好きなものを自力で形にしたんだなと思った」と口を揃える。幼い頃から電車好きの秋さん。全国各地のローカル線や鉄道博物館などに出かける中で「正確な運転を求められる運転士の大変さを伝えるシミュレーターを作りたい」と考え、通っているプログラミング教室で作品を制作した。入賞を「びっくりした。今後は電車の種類や構内アナウンスなどを追加していきたい」と意欲を燃やす。
発端は機窓からの眺め
山下さんは5歳くらいの時、母・美絵さんが買ってきたプログラミングを感覚的に学ぶ玩具「キュベット」に夢中になった。すぐにプログラミング学習ツール「ビスケット」に移行し、小学校低学年の頃には同じく学習ツールの「Scratch(スクラッチ)」を用いて、パソコンでゲームなどを組み立てるのが日課になった。
「頭で描いた設計図がしっかりあるときはすぐ手が動く。反対に、ぼんやりとしたイメージだとなかなか手が進まない」と話す山下さん。同大会では、日本上空を飛んでいる飛行機からどれくらい二酸化炭素が排出されているかがわかる「CO2JetGraph」を開発・発表した。北海道に住む祖父母に会いに、幼少期より飛行機に乗る機会が多かったことから着想を得たという。機窓からいくつもの飛行機が見えたことがあり、「同じ時間帯に一体何機空を飛んでいるんだろう」と疑問に思ったことが発端だった。飛行機が電車よりはるかに二酸化炭素を排出しているのを知ったこともアイデアとして加えるなど工夫し、国際ソフトウェア賞を受賞しグランプリにも輝いた。
山下さんは「作品に自信があった分、アイディア・技術グランプリを獲れてうれしかった」と顔をほころばせた。
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