多摩 人物風土記
公開日:2025.10.09
韓国から留学し紙芝居で平和を伝える
チェ・イェウォンさん
恵泉女学園大学(南野)在学 22歳
紙芝居で得た友情を胸に
○…大学が協定を結んでいる韓国の韓信大学から留学生として4月に来日。活動が地域住民や小学生などにも広がっている平和紙芝居研究会「KPKA」のメンバーとして活動している。初めて人前で披露したのが『みんなでぽん』だ。「最初にしては上手くできたと思う」と笑う。夏休みに、東京大空襲を描いた『三月十日のやくそく』を演じると観客から感動の声が上がった。「戦争の歴史は学校でならっていたが、どこの国の人も悪くはなく戦争や原爆そのものが恐ろしいものだと実感した」
○…子どもの頃から日本のアニメが好きで、伯母が日本人だったこともあり親しみを持った。3年前、夏休みの短期留学で大学に来ると「学生や先生みんなが優しく気づかってくれた」と今回の留学につながった。研究会に入ったのは岩佐玲子顧問に誘われたことがきっかけ。初めて紙芝居に出会い、岩佐顧問の迫力ある演技力に圧倒された。「日本語の表現力を高められる」とすぐに入ることを決めた。
○…時間がある時は新宿や渋谷、浅草、江の島などに行ってはその地の文化を吸収する。「ただ多摩市に戻ってくるとほっとする」と第二の故郷のように感じているという。大学近くの中央公園や中央図書館で市民が「幸せそう」にしている雰囲気がお気に入り。近隣の小学校では児童に勉強を教えるなど、すっかり地域に溶け込んでいる。
○…紙芝居を通してさまざまな出会いがあったことに感謝の気持ちを表す。日本にいるのは来年3月まで。日本語能力試験の勉強など時間は限られているが、クリスマスの舞台などに向けて紙芝居の練習は欠かさない。「多摩市の人は優しく友情が生まれた。友情を深めるためにも残りの時間を大切にしたいですね」
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