第7回 感孚風動 井上 貴雄
昨年のテレビドラマで、坂本竜馬がだいぶ注目されましたが、大和市内にも幕末に接することができる場所があります。
それは「泉の森」です。季節ごとに色々な花が楽しめ、この時期だと、そろそろ河津桜も咲き始めるころです。
まずは、木製の斜張橋「緑のかけ橋」の東側の端の少し上に「山口東舟翁の碑」があります。山口東舟は18歳で昌平坂学問所(東京大学の前身)に学び、22歳の時に帰郷して父親の職を継ぎ上草柳村の名主(村長)になった方です。後進の面倒も良く見たそうです。この方が碑として残された理由の大きなものが、慶応四年勝海舟の暗殺を計画した戸田勝強を諭し、暗殺をやめさせたために、後の勝海舟と西郷隆盛の会談が実現したと言われています。
さて、二つ目は、昭和27年5月に「安宅家の人々」という映画が公開されました。そのロケに使用されたのが「子安農園立川養豚場」で、泉の森の「こもれび広場」辺りがそれでした。昭和16年から29年まで大和にあり、経営していたのが、岩崎弥太郎の甥にあたる輝弥でした。自治会や公園の名前としても「子安」というのが残っています。
そして三つめです。これは想像のつく方もいるのではないでしょうか…。
泉の森西側にある郷土民家園にある「旧北島邸」「旧小川邸」です。どちらも幕末のころに建築されたものを、移築したものです。
時間を見つけて、自然とともに幕末の欠片に触れてみるのも良いのではないでしょうか。
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