大和版 掲載号:2011年6月24日号
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タウンレポート 大和市北部浄化センター 汚泥焼却灰、行き場失う 放射性物質の検出で引取り停止

社会

施設内の各所に仮置きされている袋詰めされた焼却灰。1袋は約600kg。1日で2袋分の焼却灰が排出される。袋に近づいて放射線量を計測すると1・75マイクロシーベルト(写真右下)を示すが、1メートルほど離れると0・56マイクロシーベルト(写真左下)まで下がる。=北部浄化センターで6月22日に撮影
施設内の各所に仮置きされている袋詰めされた焼却灰。1袋は約600kg。1日で2袋分の焼却灰が排出される。袋に近づいて放射線量を計測すると1・75マイクロシーベルト(写真右下)を示すが、1メートルほど離れると0・56マイクロシーベルト(写真左下)まで下がる。=北部浄化センターで6月22日に撮影

 大和市鶴間の下水処理施設「北部浄化センター」で、セメント原料として再利用されていた焼却灰から放射性物質が検出され、行き場を失っている。これまで焼却灰を回収していたセメント業者が安全基準がないことなどを理由に引き取りを停止したためで、再開のめどは立っていない。

国の対応進まず、長期化懸念

 下水処理場から出る処理汚泥や焼却灰は、産業廃棄物として埋め立て処分されたり、セメント原料やたい肥としても再利用される。 およそ23万人の生活を支える大和市内の下水(汚水)は、地下に張り巡らされた下水道管を伝い、地域ごとに市内2カ所の浄化センターに引き込まれている。

 浄化センターに集まった下水は、浄化処理を経て、きれいな水と、脱水した汚泥に分けられ、水は境川に放流、汚泥は北部浄化センターに集め24時間体制で焼却処理している。

 この処理により1日最大約1・3トンの焼却灰が排出される。施設内に一時保管された焼却灰は、月数回に分けて埼玉県内のセメント工場に運ばれ、セメント原料として再利用されている。

福島で高濃度

 こうしたなか、3月11日に東日本大震災が発生。福島第一原発での水素爆発で大気中に放出された放射性物質の影響で、5月8日に、福島県福島市の下水処理場の汚泥から1キログラム当たり最大44万6千ベクレルのセシウムが検出されたことが明らかになった。

 下水汚泥にはそもそも食品のような暫定基準値がないことから、5月16日に焼却灰を受け入れていたセメント会社が当面の受け入れを停止。これが現在まで続く社会問題となっている。

大和市も分析

 この問題を受けて大和市は、5月16日に北部浄化センター(下鶴間)と、中部浄化センター(深見)で流入下水や汚泥などを採取。 検査機関に分析を依頼したところ、両施設の「脱水汚泥」から、1キログラム当たり最大で1863ベクレルの放射性セシウムと、同216ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。

 さらに、焼却施設がある北部浄化センターの「焼却灰」からは、同4111ベクレルのセシウムと712ベクレルのヨウ素が検出され、この結果は、5月23日に発表された。

 原因については、放射性物質を含んだ雨水が流入下水に流れ込んだとの見方が一般的だ。

 6月6日に市が実施した2回目の測定では、前回よりも高い7939ベクレルのセシウムが北部浄化センターの「焼却灰」から検出された。数値が上がった原因については、6月20日現在、分析中だという。

 同様の問題は東北地方や首都圏の各都県で起こっている。しかし、明確な安全基準の設定が遅々として進まないことから、汚泥や焼却灰が各地で行き場を失っている。

溜まる焼却灰

 市内で唯一の下水汚泥の焼却施設がある北部浄化センターでは、6月22日現在で約40トンの焼却灰の仮置きを余儀なくされている。

 市によると、施設内での仮置きはすでに限界を超えており、月末には屋外に及ぶ見通し。屋外での仮置きも半年程度が限界とみられている。

 問題の長期化が懸念されるなか、安全基準が早期に示されセメント業者などが回収を再開するか、埋立地が確保されるなど国による対策が急務となっている。

 大和市都市施設部によると、屋外での仮置きは約600キログラムの焼却灰を二重に袋詰めして1袋単位で行う。アスファルトの上に高さ10センチほどのパレットを置き、袋詰めした焼却灰をその上に置く。さらに耐紫外線シートで被い、飛散や雨水による流出を防ぎ、施設内の線量を定期的に測定するとしている。

 こうした対応に追われている市の担当者は「国は対応が遅すぎる。一刻も早く安全基準を明確にしたうえで、埋め立て地など最終処分場の確保を急いでほしい」としている。その上で、仮置き状態が長期化することも視野に入れ「保管方法の検討を重ね、万全を期していきたい」と話している。

厳しい現状

 国の指針が待たれるなか、6月16日に経済産業省が「汚泥などの取り扱いに関する考え方」を示した。

 経産省は、「放射性セシウム濃度が10万ベクレル以下の汚泥等は、住宅地等と適切な距離を保った上で、管理型処分場に仮置きができる」「8000ベクレル以下であれば、跡地を居住等に利用しない前提で埋め立て処分できる」としたが、これは原子力安全・保安院の考え方をそのまま引用したもの。さらにその問い合わせ先には、国交省や厚労省など5省の担当課と原子力安全・保安院の連絡先が列記されている。

 これについて前記の市担当者は「経済産業省には、最高官庁としての自覚と責任感がない。所管する原子力安全・保安院が出した考え方に手を加えず、各都県に流している。内容にも不明確な点が多く、問い合わせ事項の洗い出しだけでも数日を要する」と、胸の内を話している。

空間線量は安定

 大和市は16日に、北部浄化センターと中部浄化センターの東西南北にある敷地境界で今月6日に測定した放射線量が、最大で1時間あたり0・13マイクロシーベルトだったと発表した。

数値の詳細は市のホームページでも公開している。 

 国の原子力安全委員会が示した考え方に基づき、この数値を年間積算量に換算すると683・28マイクロシーベルトとなる。(左表参照)

 この数値は、大和市が市内9地点で観測している市内学校施設などの数値とほぼ同じで、国が計画的避難区域に設定する際の「年間積算予測線量20ミリシーベルト(2万マイクロシーベルト)以上」と比較しても3・4%程度の数値。
 

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