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公開日:2011.08.26

タウンレポート 松田選手の死から…
知られざるAED
電源入れればあとは音声

  • AEDは大きめの弁当箱ほどの大きさ。本体のほか電極パッドや衣服を切るハサミ、人工呼吸用のマスクなども装備されている。

 サッカー元日本代表の松田直樹さん(享年34歳)が、所属チームでの練習中に心筋梗塞で倒れ、今月4日に死去した。若くして逝った松田さんの死を無駄にしないため、報道で注目された「AED」について大和市消防本部に聞いた。



 「自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいどうき)」と呼ばれるAEDは、1台約30万円前後で販売されている医療器械。胸に貼る電極パッドから心室細動を感知し、必要に応じてボタン一つで電気ショックを与えることができる。



 心室細動とは、心臓でポンプの役割を果たす心室がプルプルと震え正常に機能しない状態。放置すると血液循環が止まり死に至るが、電気ショックにより正常に戻る可能性がある。



 AEDは一般市民でも使用できることから、全国の公共施設などを中心に設置が進んでいる。



自動音声で指示



 AEDは、呼びかけに反応しない傷病者に居合わせた場合に使用する器械。



 電源を入れれば、自動音声が操作方法を指示する。傷病者の胸に備え付けの電極パッドを装着すると心電図の自動解析が始まり、心室細動を感知した時にだけ、ボタンを押して電気ショックを与えるよう指示する音声が流れる。全てを器械が判断するため、冷静に対処すれば使用は簡単だ。



必要な救命処置



 松田さんの事故ではグラウンドにAEDが無かったことが問題視されたが、そもそもAEDは心臓が停止している場合には電流が流せない器械。そのためAEDがあっても、心室細動以外の状態ではほかの心肺蘇生法に頼らざるを得ない。



 AEDがなかったことよりも、倒れた松田さんに心臓マッサージなど適切な救命処置を施した観客がいたことが、より注目されるべきではないだろうか。



大和市内では



 大和市消防本部によると、平成22年の市内での救急出動件数は9349件。このうち心肺停止の傷病者は163人いた。その場に居合わせ、何らかの心肺蘇生法を実施したのは61件で、社会復帰した傷病者は4人だった。過去3年間で市民がAEDを使用した例は6件。このうち通電に至ったのは3件だった。



 大和市は、小中学校、コミセン、スポーツ施設など市内73カ所にAEDを設置。9月末には24時間営業のセブンイレブン、ファミリーマート、スリーエフの計45店舗に市がAEDを設置するほか、民間の33カ所が「やまとAED救急ステーション」として登録。消防ではイベントへのAED貸し出しにも積極的だ。



救急フェア



 消防本部では9月3日(土)に、心肺蘇生やAEDなどを紹介する救急フェアを開催する。会場は高座渋谷のイオン大和店。時間は10時から12時。



 AEDや救急ステーション、救急講習会などに関する問い合わせは、大和市消防本部救急救命課/【電話】046(260)5751まで。

 

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