西鶴間の伊藤健一さん 商店再興にひと役 宮城県女川町に手づくりの備品など
東日本大震災で津波被害を受けた宮城県牡鹿郡女川町の樹木保存活動に取り組む伊藤健一さん(64歳)=西鶴間=が、同町の仮設商店街の再興にもひと役買っている。
今回伊藤さんが取り組んだのは、女川高校のグラウンドに建設中の仮設商店街の備品作り。昨年11月に女川町を訪れた際、仮設商店街で3月11日のオープンを目指す洋品店「ダイシン」の店主・島貫洋子さん(55歳)と出会った。
同店は、女川町で80年以上続く地域の洋品店。島貫さんは震災の日、間一髪のところで高台に避難して助かったが、店舗は津波によって跡形もなく流されてしまったという。しばらくは途方に暮れていたが、仮設商店街の話が舞い込んだ時に「もう一度、この町に活気を取り戻したい」と出店を決意した。
仮設商店街は店舗こそ建ててくれるが、備品は自前で調達しなければならなかった。「どうしても木の温もりが欲しい」と木製の備品を探していたが、物資が不足する中、手に入るはずもなく諦めていたという。
その話を聞いた伊藤さんが知人に声を掛け、支援の輪が広がった。平塚市で趣味の木工品を作っている丸山博正さん(64歳)とすぐに設計図を起こし、製作に取り掛かった。3カ月をかけて、パイン材を使ったレジ台やテーブルなど備品を完成させ、3月2日に女川町に運んだ。
店舗に搬入した備品を見た島貫さんは、「ありがたすぎて何も言えない」と感激。「洋服の販売だけでなくカフェも併設し、癒しの場として運営していきたい」と笑顔を浮かべた。
普段はしらかしの家でボランティア活動に携わる伊藤さんは、津波の被害を受けた女川町のソメイヨシノを再生しようと昨年4月に友人ら10人で「チームしらかし華の会」を発足。定期的に被災地を訪れ支援を行うほか、桜を支える下草となるアジサイの苗木250本を泉の森で栽培し、4月の植栽を目指して活動を続けている。
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