大和市が明治大学博物館の協力を得て所蔵品を展示する「地下マイナス5mの世界」が、大和市つる舞の里歴史資料館(つきみ野)で開催されている。9月23日(日)まで。入場無料。
企画展では、市営つきみ野野球場を中心とする南北約2Kmと東西約500mに広がる「月見野遺跡群」で発掘された旧石器時代から縄文時代にかけての石器や、奈良・平安時代の土器など約630点を展示している。このうち252点は、明治大学博物館が所蔵する出土品。
同地での発掘調査は、1968年から69年にかけて明治大学考古学研究室が実施したもの。つきみ野地区では当時、鉄道会社による大規模な区画整理事業が行われ、旧石器時代の遺跡が存在する地下1・5mから5mの赤土を掘削する工事が行われていた。
赤土から野ざらしになる石器の数々を見た明治大学の学生が当時の明治大学考古学研究室に発掘調査を打診。同大が鉄道会社や県に遺跡の重要性と学術調査の必要性を訴え、約30人を動員した調査が約3カ月間行われた。この発掘調査により、それまでほとんど研究が進んでいなかった旧石器時代の文化の移り変わりが明らかになり、さらに旧石器時代の遺跡がそれまで考えられていたよりもはるかに広範囲に広がっていたことがわかり、旧石器時代研究史の転換点になった。
つる舞の里歴史資料館によると、7月28日に始まったこの企画展には、夏休みの小中学生のほか、関東近県の考古学愛好家らが足を運んでいる。
職員の箱崎淳さんは「明治大学博物館と大和市の所蔵品を一堂に展示する貴重な機会。地域の歴史に思いをはせていただければ」と話している。この企画展は、中央林間に拠点を置き大和市と協働事業に取り組むNPO法人「旅めぐり証明発行基金会」が提案し、大和市教育委員会が主催している。市では国の補助事業を活用して、つきみ野地区の遺跡群を観光資源として活用する取り組みも進めている。問い合わせは同資料館/【電話】046・278・3633(原則月休)。
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