大和市が2016年度に整備を計画している下和田地区の渋谷5号公園。公園予定地やその周辺地から奈良〜平安時代の住居跡や土器類などが多数出土していることから、「遺跡を活かした歴史を感じる公園にしてほしい」の声が地元で高まり、このほど自治会長らが集まり考える会を発足させた。
渋谷5号公園の予定地は、大和市立渋谷小学校の南側で広さは約2100平方メートル、渋谷南部土地区画整理事業地内にある。
1月31日に高等町自治会館で開かれた初会合では、会の名称を「渋谷第5号公園を考える会」とし、会長には高等町第2自治会長の保田勝利さん(70)が就任した。委員には近隣自治会長、PTA会長、商店会長らが参加している。
委員の一人、大津嘉久さん(73)は市文化財保護指導委員。酒販店を営む傍らで長年この地域の歴史について調べてきた。大津さんは「公園用地は区画整理仮設住宅建設のために98年に発掘調査がなされ、平安時代の貴重な遺跡が多く出土。隣接した周辺からも遺跡が発掘されています」と説明し、「公園内に一部でも復元されれば地域にとって誇りになり、後世に文化遺産として継承することができる」と夢を膨らませる。保田さんも「この地域はとても暮らしやすいところ。千年前の地元住民の暮らしがしのばれる公園になれば嬉しい」と期待を寄せる。
会では今後、署名活動などを行い、市へ要望書を手渡したいとしている。
中ノ原遺跡
5号公園の用地には、93年からスタートした「渋谷南部土地区画整理事業」に伴い実施された文化財調査「中ノ原遺跡」の調査地点が含まれている。
同地の付近からは竪穴式住居跡や掘立柱建物跡、土坑、土器類などが出土。奈良・平安時代の集落の遺構や、かつて下和田に住んでいた人々の暮らしのあとが見つかっている。遺跡は調査後に現場説明会が一部で行われ埋め戻された。
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