大和版 掲載号:2019年3月15日号
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【本紙独占インタビュー】4月3日 シリウスで襲名披露 松本白鸚さん 松本幸四郎さん 歌舞伎の”香り”大和に届けたい

文化

松本白鸚さん(右)と松本幸四郎さん=2月14日、銀座・歌舞伎座
松本白鸚さん(右)と松本幸四郎さん=2月14日、銀座・歌舞伎座

 やまと芸術文化ホールで4月3日(水)、歌舞伎界屈指の名門・高麗屋の襲名披露公演となる松竹大歌舞伎が上演される。そこで本紙では、松本幸四郎改め二代目松本白鸚さん(76)、市川染五郎改め十代目松本幸四郎さん(46)父子に、公演への思いと見どころを聞いた。

37年ぶり三代同時襲名

-公演会場のシリウスは、2016年に開館し、大和市民にとっては念願の芸術文化ホールです

白鸚 パンフレットを拝見しましたが、立派なホールですね。約千席というのも丁度いいです。

-さて、昨年の37年ぶりの三代同時襲名、そして襲名披露興行で印象に残っていることは何ですか

白鸚 昨年1月の歌舞伎座に始まり、全国の大劇場で300ステージありました。非常に珍しい37年ぶりの三代襲名で、また平成最後の襲名披露公演なので、無我夢中で一生懸命務めました。

幸四郎 我々の始まりを多くの方に助けていただいて、終わってみれば夢のような時間でした。

「最初にご挨拶」高麗屋のおもてなし

-今回の大和市での公演については、どのような気持ちで臨みますか

白鸚 一回きりの公演ですから、まさに一期一会で、役者としては難しい。大それたことはできないが、一瞬でも、歌舞伎のいい”香り”を大和市の皆様方のお心にお届けしたい、大事にお見せしたいという気持ちです。

-演目構成でこだわった点はありますか

白鸚 口上を演目の最初にしたところです。歌舞伎座など通常の襲名披露公演では、多くは夜の部の中幕に口上を行います。しかし、今回は一度きりの公演。冒頭に襲名披露をし、全員でご挨拶をすることで、大和市の皆様の懐にも飛び込んでいけるのではないかと思い提案しました。

幸四郎 父は以前巡業で幕前にご挨拶をしたことがあり、自分も真似て、冒頭にスーツでご挨拶をしたことがあります。初めて歌舞伎をご覧になる方も多いので、まずご挨拶をすることで、安心して見ていただけると思います。襲名披露は責任ある公演なので、高麗屋のおもてなしとしても、この形がよいと思いました。

-口上は、その他の演目と心境が異なるのでしょうか。また見どころは。

白鸚 口上も狂言のひとつ。単なる『名前が変わりました』ではなく、ご覧になったお客様が『ああ、歌舞伎だな』と思わないと、歌舞伎の口上ではありません。口上では、家の決まりである鉞(まさかり)の頭に柿色の裃で登場しますので、その点にもご注目ください。

幸四郎 役を演じずに皆様にお会いするのは口上だけなので、違う緊張感があります。自分の思いを皆様に伝えられる貴重な場だと思っています。

四代続く”梅王丸”「嬉しさと緊張」

-口上に続く、2番目の演目、「菅原伝授手習鑑」の「車引」では、お二人が兄弟を演じます

白鸚 私が演じる松王丸は前髪を落としていない。ということは、17〜18歳の若者なのです。77歳になる俳優が、18歳の若者を演じるということを一つ楽しんでもらいたいです。血気盛んな幸四郎らの中に入って、いかに若者を演じるか。幕が切れるころ、18歳の若者に見えていたらいいです。

-「車引」で繰り広げられる荒事(豪快で力強い芸)は高麗屋が代々得意とする芸でもあります

幸四郎 代々、男らしく力強い役を務めていて、自分自身も男らしい役に憧れています。なので梅王丸は襲名披露の役柄としてこれ以上のものはないですし、これ以上の高いハードルもない。嬉しさと緊張があります。

白鸚 梅王丸は祖父も父も私も演じたことのある役です。同じ隈取をして四代でやっています。

-その四代にわたり務める役を、幸四郎さんは「十代目」として進化させたいという思いですか

幸四郎 それが理想ですが、自分なりに工夫していく段階には辿りついていません。まずきっちり務めるということが一番の近道。自分にプレッシャーをかけながら、堂々と演じられることで、『幸四郎』という大きな大きな名前が自分の名前になっていくのだと思います。

-最後の演目、「奴道成寺」では幸四郎さん演じる左近の舞踊を堪能できますが、この演目でのこだわりを教えてください

幸四郎 家にきれいに保存されていた曽祖父七代目幸四郎の衣装を纏って演じます。以前も演じたことがありますが、七代目幸四郎の衣装で披露するのは初めて。襲名披露公演だからこそできることだと思いますので、大事に演じたいです。

初心者に送る歌舞伎の楽しみ方

-休憩時間には、イヤホンガイドで幸四郎さんが出演するご当地クイズ企画「KOSHIRO‘S CHALLENGE」が放送されます

幸四郎 短い時間の中で歌舞伎を知り、興味をもってもらうために企画しました。歌舞伎座ではできないことであり、ご当地の情報を知れるので、自分自身も楽しみです。

-初めて歌舞伎を見る方は、どこに注目して見ればよいでしょうか

白鸚 一瞬でも楽しい気持ちになれば、それが全て。面白くなければ歌舞伎ではないので、幕が上がれば先入観や知識は必要ありません。『いいセリフ、いい声だな、歌舞伎だな』と感じてもらえればいい。幸四郎もイヤホンガイドで気の利いた、とても面白いことを言うと思いますよ(笑)。

幸四郎 (苦笑)。歌舞伎は確かに難しい。ストーリーを追うというのが芝居の見方だと思いますが、難しい言葉や設定をあえてナビゲーションしません。ただ、色彩、生演奏の音楽やセリフなどの音、舞台美術だけを追っても独特で楽しめます。自分に興味のあるものを探しにくる感覚で来てもらうと、面白いと思います。

幸四郎の歌舞伎「間違いない」

-400年続く歌舞伎の中で、いま一番伝えていきたいことは何ですか

白鸚 十代目幸四郎の歌舞伎。これしかありません。だからこそ、高麗屋の幸四郎を譲り、三代襲名をしました。なので、幸四郎の歌舞伎をご覧になっていれば間違いありません。大和の公演で歌舞伎を気に入ったら、ぜひ幸四郎の歌舞伎を歌舞伎座で見ていただきたい。

-ありがとうございます。大和でお待ちしています。

【公演に関する問合せ】

【電話】046・263・3806

「『平成最後』の襲名披露、一生懸命務めます」
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「初めての方は、興味のあるものを探しにくる感覚で」
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