大和市社会福祉協議会の会長に就任した 石井 敏英さん 下和田在住 77歳
長男として地域の宝守る
○…下和田の高台にある養護老人ホーム・和喜園の理事長として地域の福祉に関わり、和田地区社協の理事、下和田自治会の会長を10年務めてきた。会長就任から1カ月、各所への挨拶回りに忙しい毎日だ。よく足を運んでいたボランティアセンターは「会長として行くと今までと違うプレッシャーを感じる」と苦笑い。自治会活動では一般の人の社協への関心が薄いと感じた。「一方で、職員は利用者の問い合わせに真摯に応えている。その温度差を埋めていきたい」と語る。
○…実家は下和田で200年以上続く農家に、4人きょうだいの長男として生まれた。幼少から「家を継ぐのは長男の役目」と言われて育ち、「今年で100歳になる母には今でも小言を言われる」と笑う。渋谷小・渋谷中を卒業し、海老名の農業高校、農業大学校へ。同じく農家の長女だった妻と結婚し、両親と妻と、果樹や田んぼ、養豚などを30年続けた。養豚場は現在、和喜園が建ち、敷地内には豚の像が飾られている。
○…20数年前に養豚場を閉めた後、農地法で用途が限られる中、地元の友人から老人ホーム設立の話を持ち掛けられた。地元住民にも説明会を行い、身近に施設ができたことに周囲は喜んだ。「職員は優しくて穏やかな人が多いね。この辺りはのんびり、ゆったりした雰囲気。地域に何かしてあげると自然と返ってくる。信頼から和が生まれているのかな」。
○…酒を飲みかわすのが好きで、自宅のバラックには現在も趣味で続ける農業の仲間や、職員が集まる。養豚の経験から肉料理が得意で、調理道具を一通り揃え、訪問客にふるまう。「今は集まるのが難しいけど、また再開できたら。人は宝。親から与えられた財産だね」と目尻を下げた。
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