札幌農学校(現在の北海道大学)を創設した米国人・クラーク博士が残した名言 「Boys be ambitious」を「少年よ大志を抱け」と訳した海老名出身の教育者・大島正健の足跡を巡る街歩きイベントが9月14日(土)に企画されている。NPО法人「海老名ガイド協会」(城山俊則会長)の主催。
大島は安政6年に中新田村の名主の家に生まれた。幼少期をこの地で過ごした後、14歳で上京し私立の英語学校に進学。その3年後には札幌農学校の生徒募集に応じ、第一期生として入学し、クラーク博士に出会った。
大島らがクラークから学んだ期間は8カ月と短いが、濃密な時間を過ごしたという。「Boys be ambitious」はクラークがアメリカに帰国する際、別れを惜しむ教え子たちに馬上から発した「別れの言葉」だった。その言葉は、1人の教え子により記録され、その教え子が後に教育者となり、次世代へ語り伝えたことにより、日本の青少年に感銘を与える名言となった。その1人の教え子が大島だ。
農学校を卒業後、教育者の道を歩んだ大島は明治33年、山梨県知事に招かれ、甲府舞鶴城内に完成したばかりの甲府中学校に校長として赴任。クラークの遺訓「Be gentleman」(紳士たれ)と「Boys be ambitious」を根幹に置いた、人格教育に尽力した。
甲府中の後身である甲府第一高校では、大島が伝えた「Boys be ambitious」が校是として、現在も守り継がれている。
生家跡や菩提寺巡る
今回の散策企画では、大島の生家跡地「大島記念公園」や大島家の菩提寺・海源寺などを含む約4Kmのコースを歩く。事前申込みなどの必要はなく、スタート地点となる海老名市文化会館前で午前9時から受付を開始。
9時30分に出発し、一大縄、増全寺、諏訪神社、今福薬医門公園などをガイドの解説を聞きながら巡り、正午に中央公園の七重の塔で解散となる。参加費は保険、資料代として1人200円(中学生以下は無料)。
城山会長は「海老名ゆかりの偉人の足跡をたどり、先人の存在を感じてもらいたい」と話している。問合せは城山会長【電話】046・232・9756へ。
1千人超える「観光客」案内
「海老名ガイド協会」には現在60人のガイドが籍を置く。大半が定年退職後に海老名市域の歴史を学んだ人々で、年間1千人を超える「観光客」を案内する。
国指定史跡の相模国分寺跡や尼寺跡、秋葉山古墳などのガイド依頼が中心だが、「海老名の観光をリードしたい」と、今年2月の法人格取得後は地場産業の紹介などにも力を注ぐ。県内一の生産量を誇るイチゴ栽培や地酒、一般道からのアクセスも可能になった海老名サービスエリアなどへの案内も強化している。
西口街開きは「好機」
2年後に控える海老名駅西口の街開きを「好機」と捉える城山会長は「訪れる方を大型商業施設に留まるのではなく、市域の観光ポイントにも誘導し、この街の魅力をもっと知ってもらいたい」と話す。
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