国分南在住の根田正己さん(79)が1月30日、江戸時代に多く存在した、経の代わりに尺八を吹く普化宗(禅宗の一つ)の僧侶「虚無僧」にスポットを当てた書籍を自費出版した。自らの足で全国を回り資料を集め、16年かけて書き上げた本には尺八や虚無僧の歴史がまとめられている。
全国まわり軌跡たどる
この本は、古代・中世・近世にわたる尺八史の変遷や、普化宗の成立過程、虚無僧に関わる事件、尺八名人による「上達のコツ」などが500ページにわたり綴られている。
現役引退後の趣味として始めた尺八のルーツや楽曲の背景が気になり、軌跡をたどり始めた。しかし、インターネットや近隣市の図書館には資料が少なかったため、尺八の発祥の地である和歌山県をはじめ全国各地を自らの足で調査。その街の郷土史などを探し、地域の人にインタビューを行うなど徹底的に調べ上げ、16年の歳月をかけて完成させた。
ルーツは旅先の出会い
尺八との出会いは59歳の頃。企業人として多忙な生活を送り、慢性的な寝不足や神経疲労に悩まされていた時に、気分転換のため出掛けた旅行先で偶然流れていたのが虚無僧曲だった。
独奏でありながらさまざまな音を表現する世界観に衝撃を受け、「自分で演奏できるようになりたい」と一念発起。国内外で活躍する虚無僧曲の演奏家・中村明一氏の門戸を自ら叩き、弟子になった。
今では自身も市内外で演奏活動を行っており、来月には国分南のルネ・エアズヒル内で、尺八とオルガンで古典曲や民謡などを演奏するミニコンサートを予定している。
根田さんは「長年資料を集め続け、ようやく形にできました。尺八や虚無僧について理解を深めてもらえる内容になっていると思うので、ぜひご一読頂ければ」と話している。
本は直接販売のみで、購入希望者は根田さん【電話】046・231・8446へ。
読者プレゼント
根田さんの著作「虚無僧尺八 幽玄の音霊」を抽選で3名様にプレゼント。希望者は、はがきに住所・氏名・年齢・電話番号を記入の上、〒242-0004 大和市鶴間1の21の8沖津ビル2階(株)タウンニュース社海老名編集室「本プレゼント」係まで。3月3日(木)必着。
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