任期満了に伴う座間市長選挙は9月20日に実施され、新人の佐藤弥斗氏(50)が現職の遠藤三紀夫氏(62)の4選を阻み初当選を果たした。座間市の女性市長は史上初。佐藤氏は草の根運動で支持を広げ、現職の組織戦を圧倒した
4選をめざす現職を4選の元市議が追い上げる構図となった同選は12年ぶりの選挙戦となった。
7月27日に佐藤氏は「(遠藤市長は)市民の声を聞く姿勢が薄れた」「コロナ対策に市民の声が届かない」などと市長選出馬を表明。同31日には遠藤氏が「市政継続」を掲げ4選の意を示した。佐藤氏はこの日「けじめをつけて市長選に挑む」と、議員辞職した。
遠藤氏は自民党座間市連や地元代議士、連合神奈川などからも幅広く支持を集める組織戦を展開。佐藤氏は16年近くに及ぶ議員活動で積み上げた支持層を背景に「家庭代表」「女性市長」のアピールで浮動票を狙う、草の根運動が生命線となった。
遠藤氏が4期目の最重要テーマに次期総合計画の策定をあげる一方で、佐藤氏は「市長給与の2割削減」「市民の声を反映させたコロナ対策」「市民の声を聞く仕組みづくり」「分かりやすい情報発信」など分かりやすい公約を訴えた。
選挙戦では公務にあたりながら遊説や立会演説会で各地を回る現職に対し、佐藤氏は「1日200人に会う」ことを目標とした自転車での市内行脚を徹底した。
開票が行われた20日夜は、与野党の国会議員や海老名、綾瀬、厚木の近隣市長らが午後11時を境に続々と遠藤事務所に入りその時を待った。
そうしたなか「当選確実」の一報は、会場として急きょ用意された小松原の幼稚園で結果を待つ20人ほどの支持者らのもとに届いた。午後11時35分―。当確の一報を受けて佐藤氏が会場に入ると、集まった支持者が笑顔と涙、拍手で迎えた。
佐藤氏は「厳しい戦いだった。行政だけでなく市民の皆さんと共に課題を解決する市政を行いたい。皆さんと共に新しい未来をつくりたい」と述べ、支持者や家族と喜びを分かち合った。
遠藤氏「私の力不足」
遠藤氏は、佐藤氏の当選確実が分かった午後11時30分頃、選挙事務所に姿を見せると、集まった国会議員や周辺自治体の首長を前に「皆様のお力を貸していただき精一杯戦ったが、残念ながらこうした結果になった。すべて私の力不足で不徳の致すところ。大変申し訳ない」と悲痛な面持ちであいさつ。「9月30日で退任になるが、『立つ鳥跡を濁さず』で、しっかりと仕事を引継ぎたい。私も改めて気持ちの整理をした上で対応していきたい」と頭を下げた。
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