長年にわたり目久尻川での清掃活動を行っていた海老名市の「目久尻川をきれいにする会」(飯田英榮会長)が7月の記念冊子完成をもって活動を終えた。当初の目的を達成したことと、会員の高齢化が理由になった。
目久尻川をきれいにする会が設立されたのは1995年6月。当時は生活排水が流れ、悪臭がする「黒い川」と言われていたことから、川沿いの海老名市内11の自治会長が中心となって美化活動を始めた。
活動は清掃にとどまらず、ホタルの育成、鮎などの稚魚放流のほか、川沿いの小学校4校を対象に夏休みの課題ポスター展を20年にわたり企画。総合的学習の講師など、教育活動にも積極的に協力した。解散時点での会員数は743人で、清掃活動には毎回100人前後が参加していた。
河川を管理する県厚木土木事務所東部センター河川砂防課は「川に愛着を持ち、環境の保全にきめ細やかに取り組んでいただいた」と評価する。
解散について、会発足時から携わり2001年から会長を務める飯田英榮さん(79)は「残念だがやむを得ない」と話す。役員の平均年齢は80歳代で、数年前から世代交代を模索。しかし引き受け手が見つからなかったため、活動に支障が出る前に解散を選択した。
「ただし、これは発展的解散でもある。活動を続けることで実際にきれいになり、地域に親しまれる川になった」と飯田会長は胸を張る。年2回の水質検査は常に良好で、2002年からは毎年鮎が遡上(そじょう)。清掃でもゴミや自転車などの不法投棄は減少したという。会で植樹した川沿いの桜も花の名所になった。
今年5月に解散を決定後、集大成として会報をまとめた冊子作りに取り組み、7月に完成した。過去の氾濫の記録写真も交えて歴史を振り返っている。会報を作成し、冊子作りも行った三宅紘輔事務局長(79)は「市内の各図書館にも進呈した。郷土資料として、目久尻川でこのような草の根の地域活動があったことが後世に伝われば」と話した。飯田会長も「いつの日か、目久尻川をもっときれいにしたいという動きが出てくると嬉しい」と願いを込めた。
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