患者誤認による医療事故を防ごうと、海老名総合病院(服部智任病院長)は11月25日、通院患者向けに啓発活動を行なった。看護部と医療技術部に所属する職員6人が受診時の本人確認について協力を呼びかけた。
この活動は、厚生労働省が実施する医療安全推進週間(11月24日〜30日)に合わせた取り組み。医療従事医者と患者が医療安全について理解を深める機会として、各地の医療機関でさまざな活動が実施されている。
患者の氏名確認を怠ったケースで起きる医療事故は、全国で後を絶たない状況が続いている。中には薬の誤投与や必要のない手術など命に関わる重大な事故もあり、社会課題になっている。
こうした背景を受け、同病院では患者氏名を確認する基本ルールを徹底しながら、確認不足が招いたヒヤリとした事例をまとめ、情報共有するなど事故防止策を講じている。今回の通院患者向けの啓発活動は初めての試みで、同病院の医療安全対策室職員は「患者さんにも協力してもらうことで誤認は防げる事故になる」と説明する。
この日は、同病院本館エントランス前などで「フルネームと生年月日を教えてください」と書かれた啓発グッズを配布し、「医療安全の基本は名前から」と通院患者に呼びかけた。また受診を終えた患者を対象に、医師や看護師から本人確認があったかについてアンケート調査も実施した。
安全な医療について服部病院長は「患者誤認は医師や看護師はもちろん、患者さんにも氏名確認の重要性が共通認識として広まれば今まで以上に防げる」と話した。
アンケート結果は後日職員らに公表し、本人確認の徹底などに役立てられるという。
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