海老名・座間・綾瀬 人物風土記
公開日:2025.10.10
鉄道の運転体験1100回目を達成した
奥平 康彦さん
綾瀬市吉岡東在住 80歳
愛を乗せて走り続ける
○…群馬県の碓氷峠鉄道文化むらでは、信越本線の廃線区間で電気機関車「ロクサン」の運転体験ができる。「過去にこの区間を走っていたんです。本物を動かすのは究極の鉄道趣味」。この体験に魅せられ、24年間通って1100回目を達成した。高齢になったことを踏まえ、この節目で“引退”を決意した。「施設初の千回を達成し、表彰された時は嬉しかった」とほほ笑む。
○…湯河原町出身。幼い時は近所のあぜ道でよく遊んだ。高校生になると小田原まで電車通学するようになり、同じ頃に父がカメラを買ってくれた。「身近な鉄道を撮り始めた。車両ごとの個性が魅力的で鉄道のとりこになった」と当時を振り返る。好きな車両は国鉄型。「旧式の特急を見ると昔の思い出がよみがえる」と目を輝かせる。
○…大学で機械工学を学び、卒業後は県立の工業高校教諭となった。26歳で結婚し、32歳の時に綾瀬に家を買って引っ越した。高校では鉄道研究会の顧問となり、プログラムや材料の実験など専門的な授業を担当した。知識を教えるのみでなく、学びが社会でどう生きるのかということを伝え続けた。「教えるというより育てるつもりでやっていた。自分がどう育つべきなのか、方向性を示してあげたかった」
○…10年前に自宅の車庫が一台分空き、このスペースに椅子と机を置いて休憩所にした。自由に使ってもらおうと、利用者にはあえて声をかけない。今では近隣住民の井戸端会議の場や中学生の居場所として定着。「憩いの場になって嬉しい」と笑みを浮かべる。退職後は民生委員の活動に精を出し、毎朝の通学路ボランティアが日課。「地域に支え合う、つながりを作れたら」。地元愛を胸に、これからも好きな道を走り続ける。
ピックアップ
意見広告・議会報告
海老名・座間・綾瀬 人物風土記の新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!











