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海老名・座間・綾瀬 人物風土記

公開日:2026.10.23

海老名商工フェスで伝統工法による「こども上棟式」を開いた 袋田 琢己さん 海老名市中野在住 49歳

  • 袋田 琢己さん (写真1)

大工の生き方をつなぐ

 ○…大工の親方が、海老名の駅近くで子ども向けの上棟体験を用意した。大工という仕事を伝えたい思いには「国産材活用を復活させたい」という願いも重なる。「地元の森を育てなければ」と、南足柄で木を植えるイベントも実施した。それらを何十年も先に子どもたちの世代が使うことを思い描きながら。父親でもあり、大学生と高校生の子はいま、建築系の道を歩もうとしている。

 ○…海老名で大工の家で育ち、門沢橋小学校の頃から現場を手伝った。丸太や針金で足場を組み上棟式にも加わった。当時自作した椅子を大人になってから眺めると、なかなかの仕上がりだ。20歳の頃に海外旅行した後に「神社仏閣や祭りなど見どころ一杯な日本」に惚れ直した。そして祖父の遺品の大工道具に向き合った。「自分が継がねば、これらも捨てられてしまう」。その後工務店2社で修業し、30歳で会社の代表となった。

 ○…今は外国から来た青年が工房で一緒に作業している。SNSで海外にインターンを呼び掛け、これまで10カ国から受け入れてきた。AIで言葉を英語に訳しながら、日本の伝統的な土壁や自然の石を使った基礎など様々な施工を教えている。「彼らの役に立てば嬉しい、いつか海外で共に働く日が来るかも」。かつて建築系の専門学校で非常勤講師を務めたこともあった。

 ○…趣味は大小3台のバイク。愛妻を後ろに乗せ、息子とツーリングに出かける日も。車から見る景色とバイクの景色は別物だ。目的地に到着した達成感を語り「この感動は乗らなきゃ分からない」と、にんまり。無心になって風を受け、海老名に帰着。翌日からは再び木の香る現場へ。呼吸のように吸収して、次の人たちに伝える日々が始まる。

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