厚木市は、骨髄を提供したドナーと事業所に助成金を交付する「厚木市骨髄移植ドナー支援事業」を今年度からスタートさせた。ドナーの負担を軽減するとともに、ドナーの登録数を増やすことが目的。
白血病などの血液疾患の有効な治療手段として用いられる骨髄移植や末梢血幹細胞移植。市内には、2018年3月末の時点で602人のドナー登録者がいる。市健康長寿推進課によると、ドナーになると骨髄移植のために、一般的に7日前後を要するとされている。そのため、勤め先に休暇制度などがない場合、業務の停滞や収入面の影響から、ドナーは移植の依頼が来ても断らざるをえない場合があるという。厚木市でも、白血病などの病気から患者を救うため、ドナーの負担を軽減し、登録者数を増やす必要性があり、今回の助成金事業をスタートさせたという。神奈川県でも同様の事業を18年度から始めている。
助成金の対象となるのは、厚木市内に在住の人で、以下のすべての条件に該当する人。【1】日本骨髄バンクが実施する事業を通して、骨髄等の提供を完了した人、【2】骨髄提供に伴う休暇の制度がない事業所に勤務する人、【3】同様の趣旨の他の助成金の交付を受けていない人。また、そのドナーが勤務する国内の事業所(国、地方公共団体、独立行政法人は除く)も助成の対象となる。
助成金は、骨髄等の提供のために通院や入院をした場合、ドナーに1日2万円(最大7日まで)、ドナーの勤務する事業所に1日1万円(最大7日まで)が交付される。今年度の予算は21万円。今後は、市広報紙やホームページのほかに、市内の事業所が集まる会議などで周知していくという。
同課の担当者は「今回の助成金制度は、ドナーの給料保障的な役割もある。さらに、ドナーの登録者を増やすことにもつながれば」と期待を寄せる。同制度の問合せは同課【電話】046・225・2174へ。
県内で2万2916人
同課によると、神奈川県内のドナー登録者数は2万2916人(19年3月末時点)。移植希望者数は76人(19年3月末時点)となっている。ドナー登録者数が移植希望者数を大幅に上回っているが、HLA(ヒト白血球抗原/白血球の型)が適合する確率は、非血縁者間で数百人から数万人に1人と言われており、兄弟姉妹間でも4分の1と言う。ドナー登録者数が多くても、希望者は適合するドナーを待っているのが現状だ。実際に17年度は、県内で83人、市内で5人の移植があったという。
なお、ドナー登録は神奈川県赤十字血液センターで可能で、市内では、本厚木献血ルーム(中町2の8の13/【電話】046・225・7001)ですることができる。
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