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厚木・愛川・清川 人物風土記

公開日:2021.11.12

公益社団法人 神奈川県猟友会厚木支部の支部長を務める
安藤 忠幸さん
厚木市戸室在住 71歳

狩猟の心得 後世に

 ○…狩猟シーズン(11月15日〜2月28日)の解禁を前に、何よりも強くハンターの無事故を願う。狩猟中は誤射はもとより、険しい山道からの滑落など、不注意が命に関わるケースも少なくない。「無事故なら獲物は獲れなくても良い」。51年のベテランは狩猟の酸いも甘いも知る。「健康のために野山をゆっくり歩きながら」と、飯山地区や荻野地区でシカやイノシシを追いかける。

 ○…猟友会は、行政の依頼で2003年からシカの管理捕獲に取り組み、JAからの要請でイノシシやサルなどの有害鳥獣駆除にもあたっている。植生の回復や農作物被害の防止という目的とはいえ、周囲への理解が進まず「当時は何をやっても苦しかった」と振り返る。続けて「今はお礼を言われるようになった。少しは社会の役に立てているのかな」と足元を見つめる。

 ○…生まれも育ちも厚木市。ハンターとして立ち振る舞う友人の父に憧れて、二十歳で猟銃を握ると、瞬く間に「同じ場面が二度とない」という狩猟の魅力に引き込まれた。家族は妻と2人の娘、5匹の犬。夫婦仲について水を向けると「猟銃を所持するには夫婦円満が絶対条件なんだ」と切り出し、「あとは言わせないで」と照れ隠し。

 ○…会員の減少と高齢化が進んでいたが、ジビエブームの追い風を受けて狩猟に興味を持つ20〜30代の入会者が増えている。県内猟友会全体で初心者向け講座を開いて門戸を広げ、講師の一人として受講生に向き合う。講習会では、少しの不注意が大きな事故につながるとして気が緩めば叱ることも。また命をいただく意味を伝ようと、捕獲から料理になるまでの過程も惜しみなく披露する。「獲ったら食え、食わない命は獲るな」をハンターの使命と心得る。

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