厚木・愛川・清川 文化
公開日:2026.08.28
地域で紡ぐ伝統の息吹 厚木が誇る郷土芸能
厚木市には、地域で大切に受け継がれている伝統芸能が数多く存在する。なかでも国の重要無形民俗文化財に指定されている相模人形芝居の「長谷座」「林座」、そして市の無形民俗文化財として100年以上の歴史を刻む「相模里神楽垣澤社中」は、その高い芸術性と地域に根ざした活動で広く知られている。古き良き伝統を未来へつなぐ3つの姿を紹介する。
相模人形芝居 長谷座
厚木市長谷地区に伝わる相模人形芝居「長谷座」は、江戸時代中期に始まったとされる。1980年に国の重要無形民俗文化財に指定された。
最大の特徴は、一体の人形を主遣い・左遣い・足遣いの3人で呼吸を合わせて操る「三人遣い」と、鉄砲を構えるように人形を高く掲げる「鉄砲差し」と呼ばれる独特の操法だ。この技法により、人形は生きているかのような躍動感あふれる表情を見せる。現在は南毛利地区を中心に練習を重ね、地域の公演や次世代への継承活動に力を注いでいる。
相模人形芝居 林座
厚木市林地区を中心に伝承されてきた「林座」は、享保年間頃に始まったと伝わる伝統ある一座。江戸時代後期に大坂の名人・吉田朝右衛門を師に迎え、その高度な技と伝統を現代まで受け継いできた。長谷座とともに、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
林座もまた「三人遣い」と「鉄砲差し」の伝統を守り、50個以上の歴史あるカシラ(人形の頭部)を今に伝える。毎年10月の林神社例大祭での祭礼をはじめ、出前教室など地域の文化振興にも貢献している。
相模里神楽 垣澤社中
厚木市を拠点とする「相模里神楽 垣澤社中」は、100年以上の歴史を誇る家元世襲制の神楽社中だ。1971年に厚木市の無形民俗文化財に指定された。
相模里神楽は、神話や説話を題材にした仮面劇であり、セリフを用いず仕草や舞で表現する黙劇。垣澤社中は里神楽とともに面芝居という歌舞伎などから題材を得て、面をつけ、せりふがある芸能を伝承している。
現在は、先代から受け継いだ伝統を守りつつ、さまざまな舞台やワークショップを通じて、神楽の普及・伝承に取り組んでいる。
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