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公開日:2025.09.05
戦後80年特別講演
モンゴル抑留の事実
現地博物館館長を招く
浄発願寺(伊勢原市日向)の塚越慈徳住職(74)が、モンゴルで日本人抑留者の歴史を伝える活動を行っているウルジートグトフさんを日本に招き、伊勢原市民文化会館で10月28日(火)に講演会を開催する。入場無料。
塚越住職は昨年、全国強制抑留者協会から声を掛けられたことをきっかけに、訪問団と共にモンゴルを訪問。首都ウランバートルから約70Km離れた場所にある慰霊碑や日本兵が強制就労させられていた石切り場など、遺骨が埋葬されている7カ所で供養を行った。
この訪問を機にウルジートグトフさんと交流を深め、「ぜひ日本で話してほしい」と講演を依頼。塚越住職が自費でウルジートグトフさんと通訳、アシスタントを含めた4人を日本に招待。伊勢原のほか新宿や北海道で講演会を企画した。
ウルジートグトフさんは塚越住職が慰霊に訪れた石切り場に、私財を投入して日本人抑留者の博物館「さくら」を建設した人物。知らずに購入した土地が、かつて日本人抑留者が強制労働を強いられた石切り場で、日本人の強制労働の裏に今のモンゴルがあることを知り、独自に調査を実施、2022年に「さくら」を建設した。
さくらは、モンゴルの移動式住居である「ゲル」に建設されたもの。館内には当時の日本人抑留者の労働の様子をおさめた写真や、市内に建設した図書館など、さまざまな建物建設に携わった資料などを展示している。
400の遺骨いまだ帰国せず
塚越住職によれば、戦時中1万4千人が強制労働を強いられ、約1700人が亡くなり、約400の遺骨はまだ帰国に至っていない。「抑留者の事実を日本の皆に知ってもらい、平和の大切さを改めて実感してほしい。最後の御霊が帰ってくるまで戦争は終わらない」と住職。
さらに「ここまで生かしてもらい、困っている人をどうやって救えるかが、私に課せられた使命だと思う。亡くなった方の『慈徳頼むよ』の声が聞こえなくなるのは私があちらへ行く時」と思いを話す。
市民文化会館で10月28日に
戦後80年特別講演「日本とモンゴルとの永遠の友好のために」は伊勢原市民文化会館小ホールで10月28日、午後6時から8時。申込み不要。モンゴルに強制抑留された日本兵約1万4千人が帰国するまでの約2年に及ぶ飢餓との戦いと残された功績を語る。
問い合わせは浄発願寺【電話】0463・94・3954塚越住職へ。
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