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伊勢原 社会

公開日:2025.10.03

都内在住の町田夫妻
太田道灌の伝説を絵本に

  • 町田夫妻がこだわったページの一部

 世田谷区在住の町田弘さん(79)と妻の万里子さん(75)がこのほど、太田道灌を題材にした手づくり絵本「太田道灌と村娘 山吹の里」を制作した。

 弘さんが豊島区の図書館で偶然目に留まった民話本の中に太田道灌の山吹の里のページを見つけたことが始まり。「江戸城を築城した武将として知っていたが、その程度の知識」と弘さん。民話を読み進めていくと、「山吹の里」が各地にあることを知り、同時に荒川区で道灌まつりが行われることもわかり、会場に足を運んだという。

 「山吹の里」伝説は道灌が鷹狩りの際に豪雨に会い、蓑を借りようと農家に訪れた際の話。村娘が兼明親王の和歌になぞらえ、蓑ではなく山吹の花を差し出したというもの。道灌を語る上で広く知られている。

 荒川区の道灌まつり会場に出店していた伊勢原市の職員らに道灌について聞き、太田道灌をNHK大河ドラマに!実行委員会の三上利栄会長から資料を取り寄せた。資料を読み、道灌にゆかりの地が各地にあることを知り、実際に訪れるなど、調べていくうちにどんどん道灌の魅力に引き込まれていった。

独自の解釈に創作を加える

 「豊島区の民話を主とし、独自の解釈と創作を加えた絵本になっている。道灌の優しさ、思いやり、向上心、文武両道、君主に対する忠誠心も描いた」。絵本は全ての漢字にルビがふってあり、小学生でも読めるように工夫されている。

妻と二人三脚で絵本を制作

 「妻は40年ほど前から手づくり絵本を制作していて、人物を描くのが得意。私は主に史実を調べたりストーリーをまとめたりしている」。今回の絵本では、特に娘が雨の中、山吹の花を摘みに行き、差し出す一連のシーンにこだわったという。「これをきっかけに道灌が和歌の勉強に励み、一つの小さな行いが人を動かすことがあると感じた」と語る。さらに「絵本をきっかけに伊勢原や道灌ゆかりの地のまちおこしにつながればうれしい。手作り絵本のことも多くの人に知ってもらいたい」と弘さん。

 絵本は、10月はじめに伊勢原市立図書館に寄贈する予定だという。

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