首都防衛を目的に大正10年に竣工した海上要塞の「東京湾第三海堡」。この遺構を、歴史的に価値のある遺産として保存・活用したいと、地元住民やNPO法人「アクションおっぱま」らが声をあげ、昨年8月、一時保存されていた浦郷町の民有地から夏島町にある市有地に移設されていた。11月にはまちおこしイベント「Y・フェスタ追浜」の開催に合わせて、保存記念式典を開催。同日の一般公開では約500人が見学に訪れるなど、関心の高さをうかがわせた。
今回開催される移設記念シンポジウムでは、この遺構を活かしたまちづくりが本格的に検討される。第一部の基調講演では、軍事史学会副会長の原剛氏が、「東京湾第三海堡建設の経緯」を分かりやすく解説。
その後の第二部では、「歴史遺産を活かした追浜のまちづくりを進めるには」をテーマに、パネルディスカッションが行われる。司会を務めるのは同法人の昌子住江理事長だ。
ガイド養成早急な課題
「(パネルディスカッションでは)今後課題になりそうなことを検討したいと考えています」と昌子理事長。そのひとつに、ガイドをはじめとする海堡に関わる人材の養成をあげる。4月以降、一般公開日も設ける予定だが、ガイドが少ないために、当面は月1回程度を検討しているという。
また、「活用にあたっては、追浜の周辺遺産や施設との連携ツアー企画など、地域が一体となって取り組めるようにするにはどうしたらよいか、なども課題となります」と話す。児童・生徒の歴史学習には、小中高校への呼びかけなども必要になる。
地域の歴史遺産を活用したまちづくり。今回のシンポジウムを契機に、追浜の新たな姿が少しずつ見えてきそうだ。
追浜観光協会、追浜商盛会、同法人の共催。時間は午後1時から3時半まで。終了後、同遺構の見学会も行われる(4時半終了予定)。定員100人で参加費無料。
シンポジウムの申し込みは、氏名と連絡先(電話番号かメールアドレス)を明記の上、同法人【FAX】046(866)2790か、【メール】info@action-oppama.orgまで。問い合わせ先も同じ。
追浜の歴史遺産を活かしたまちづくりを考える「東京湾第三海堡構造物移設記念シンポジウム」が、3月19日(土)にリサイクルプラザ「アイクル」の講堂で開かれる。当日は、同海堡が建設された経緯を学べる基調講演やまちづくりに活かすパネルディスカッションのほか、遺構の見学会も予定されている。
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