神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
横須賀版 公開:2011年8月26日 エリアトップへ

横須賀美術館で開催中の企画展に出品している彫刻家 土屋仁応(よしまさ)さん 横須賀市出身 34歳

公開:2011年8月26日

  • LINE
  • hatena

自分の表現を木に託し

 ○…今にも動き出しそうな存在感、ぐっと引き込まれる瞳、柔らかな肌―。作品が独自の空気感と時の流れを持っているような、不思議な感覚を覚える。28日まで横須賀美術館で開催中の「おもしろ動物展」に麒麟・羊・子犬・ユニコーンの木彫作品を出品。本の装丁や雑誌で取り上げられるなど、国内アートシーンで注目の彫刻家だ。

 ○…「そこに居る感じを大切にしている」。木の質感を生かし、体温を感じさせる。象徴的なのは瞳だ。大学院で文化財保存学を専攻、そこで仏像の世界に出会った。仏像に眼を入れる技法や素材に加え、「見ればその世界が分かる」という圧倒的な存在感に影響を受けた。実在の動物や想像上の生き物など、作品のモチーフは様々だが、頭の中にある数多くのイメージから「演出家になって登場させるのが僕の役割」と話す。

 ○…「幼稚園の卒業文集に『彫刻家になりたい』と書いていたんです」。思えば、絵や粘土を楽しむ一方、魚を飼ったり、草花を採るのが好きな子どもだった。「彫刻家なら好きなことを両方できると思ったんでしょうね」。追浜高校進学後、美術の予備校で自分の手に馴染んだのは、やはり彫刻だった。動物‐木彫という今のスタイルに落ち着いたのは、東京藝術大学に入ってから。だが90年代、「アート」の価値観や概念が多様になった。自分もアートに対して迷いを感じていた。だからこそ、幼少時代に感じたような、シンプルで具象的な作品で表現したい、という気持ちが強くなった。「いろんなものを作ってみたいという思いは、その頃から変わっていない」。

 ○…現在はアトリエを埼玉県に構え、犬や猫と暮らす。「この美術館は憧れの場所。(出品は)ご褒美だと思う反面、次も頑張れという叱咤激励かも」。来年は、個展や作品集の出版が控える。忙しさを感じさせない佇まいと言葉に込められた意思は、どこか作品に通じているようだった。
 

本まぐろ直売所

4/26~5/6は休まず営業、毎月第2・4土日は特売日!

https://www.yokosuka-honmaguro.com/

<PR>

横須賀版の人物風土記最新6

鶴 ジュンさん

長井の活性化イベント「浜と丘とマーケット」を主催する

鶴 ジュンさん

長井在住 54歳

4月26日

三木 真理子さん

「関根川〜相模湾海中 水の輪つなぎ活動:chotto」の代表を務める

三木 真理子さん

秋谷在住 

4月19日

今野 睦夫さん

横須賀市ラジオ体操連盟を設立し、会長に就任した

今野 睦夫さん

二葉在住 82歳

4月12日

美里 芽玖(みさと めぐ)さん

ピアニストとして地元で初のソロリサイタルを開く

美里 芽玖(みさと めぐ)さん

平成町在住 22歳

4月5日

佐久間 大輔さん

大阪市立自然史博物館の学芸員を務める

佐久間 大輔さん

三春町出身 56歳

3月29日

新谷 健(たけし)さん

娯楽劇を演じる市民劇団「浜の隠居の会ぷらす」の代表を務める

新谷 健(たけし)さん

鴨居在住 68歳

3月22日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月26日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

横須賀版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

横須賀版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook