若松マーケット 再生の動き 「昭和の郷愁」売り込め
迷路のような小路に100を超す飲食店がひしめく京急横須賀中央駅そばの「若松マーケット」で、商店街活性化に向けた動きが盛り上がりを見せている。昭和の風情を色濃く残す「レトロ感」を切り口に、あの手のこの手の策を打ち出そうとしている。第一弾として投入されるのがご当地ドリンク「横須賀ブラジャー」。ブランデーをジンジャエールで割ったもので、ユニークなネーミングとともに定着化をめざす。
切り札は「横須賀ブラジャー」
若松マーケットは、戦後のヤミ市を起源とする横須賀を代表する歓楽街のひとつ。若松新生商業組合(佐藤昭夫組合長)が地主から一帯の土地を借り上げ、出店者に貸している。昭和30年代から40年代に隆盛を誇ったが「バブル経済の終焉以降、客足が遠のきはじめた」と佐藤組合長。今ではシャッターを下ろしたままの店も少なくない状況となっている。過去には再開発も検討されたが、道幅の狭さなどがネックとなり断念した経緯があるという。こうした事情に加え、経営者の高齢化、店舗の老朽化なども重なり、ここ数年は停滞ムードが漂っていた。
危機感を募らせた組合が目を付けたのが昨今の「昭和ブーム」。映画やドラマのロケがこの場所で頻繁に行われていることをヒントに、「郷愁を誘う繁華街」としての売り出しを思いついた。県・市の商店街応援メニューも活用、アドバイザーを迎え知恵を絞った結果が「横須賀ブラジャー」だ。ウイスキーを炭酸水で割るハイボールの人気に対抗するもので、昭和の時代に愛されていたブランデー(電気ブラン)を用いることでレトロ感を演出する。「ブランデーの甘い香りと辛味の効いたジンジャエールのマッチングが絶妙」と注文客からの評判は上々だという。
組合に加盟する約70店では1杯500円に統一し、10月末を目途に一斉販売に踏み切る計画。共通ポスターやオリジナルグラスに、店舗情報をまとめたガイドマップなども作成する。
ハード面の整備にも着手する構えだ。若松マーケットのイメージを「暗い」「入りづらい」と答える人が多いことから街路灯の新調を検討。昭和の雰囲気を醸すデザインにこだわりながら進めていくという。
若松マーケットのこうした動きに注目する地元ベンチャーも熱い。ネット動画でマーケットの路地裏散策を体験できるサイトを構築。現在テスト公開中で、(「若松マーケット・バーチャル散歩」検索)活性化に寄与しながら、新たな事業の展開を目論んでいる。
佐藤組合長は「(マーケットには)今が勝負、という機運が高まっている。まずは新ドリンクを浸透させ、活性化の弾みとしたい」と意気込みを話した。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|