台風被害で枯れる農作物 収穫前の路地野菜に打撃
まもなく出荷の最盛期を迎える露地栽培の夏野菜。しかし、葉や茎が褐色に変色して縮れたり、実の生育が止まるなどの異変があらわれている。これらは先月19日に通過した台風4号の影響によるもので、農作物への被害が広まっている。
市内で被害が特に大きかったのは、海から近い長井や北下浦地区。風に煽られ横倒しになり、傷を負う苗もあったが一番深刻だったのは塩害(潮風害)だった。
強風に巻き上げられた海水が農作物に付着し、成長を妨げてしまう潮風害。今回は、収穫前最後の成長期に入っていたキュウリ・ナス・トマト・インゲンといった夏野菜に降り注いだ。生育が阻害された葉は縮れ、実も小ぶりと状況は芳しくない。一方、地面を這うようにツルを伸ばすカボチャ・スイカ・メロンは、ビニールやネットの風雨除けで難を逃れたところが多く、ほぼ通常どおり出荷されている。
長井でトウモロコシを栽培する農家は、「収穫量は例年の半分にも満たない。かろうじて収穫した作物も品質は落ちてしまった」と畑を見つめて肩を落とす。
台風の通過後、畑では薬剤塗布や、付着した塩分を丁寧に水で洗い流すなど、すぐに除塩作業が実施された。農協担当者によると「新たな脇芽が出れば遅れて実をつけることもある」そうだが、壊滅的被害を受けた一部の農家では収穫を諦めて廃棄を余儀なくされている。「梅雨時期のこのような被害は例のない稀なケース」と、農協でも収穫量の減少に頭を悩ませている。
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