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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2013.04.12

「御国(みくに)幼稚園」の園長に就いた
熊谷 和久さん
市内在勤 66歳

「環境で人は変わる」



 ○…会社社長、高校校長、大学講師と異色の経歴の持ち主だ。この春からの新たな肩書も傍目から見れば疑問符が浮かび上がるが「全然不思議なことはない」と高笑い。これまでも自身が感じる問題意識が異分野への挑戦を決意させてきたが、今回も同じ。「ビジネスの現場や学校で多くの人と接する中で、『生きる力』の欠如を最近の若者に感じていた」。人間力の基礎は幼児期にこそ育まれるもの。「これまでに得た経験や知見を役立たせたい」。舞い込んだ園長就任の誘いを二つ返事で引き受けた。



 ○…今から10年前。民間から市立横須賀総合高校の初代校長に選ばれ、手腕を発揮した。寄り合い所帯の弊害があった校内を持ち前の調整力で問題解決にあたった。いじめなどの争いごとには、「心にゆとりを持って」とのメッセージを込め、校舎の廊下を絵画で飾り立てるアイデアで平穏を取り戻すことに成功。作品を提供する美術部が全国レベルの大活躍をするという好効果ももたらした。



 ○…モットーとする「環境で人は変わる」の実践者で現場主義者。校長時代は早朝7時に校舎の鍵を開け、校内に捨てられたガムをこそぎ取るヘラを片手に巡回。朝練にやってくる生徒らと積極的にコミュニケーションを図り、気持ちを掴んだ。現場の実情を知らない人間が組織のトップに立つことの危うさを誰よりも知っている。「いじめ自殺で謝罪を繰り返す校長がどれだけ事実を知っていたのか」と苦言を漏らした。



 ○…「引退してのんびりしてもいい年齢」だが、じっとしていられない性分だという。園近く、大楠山ふもとにある800mのマラソンコースを孫ほども年の離れた園児と一緒に駆け回るのが日課だ。遊戯のダンスにも加わり、愛嬌をふりまくなどパワー全開。ここでも現場主義は変わならい。

 

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