高校生ものづくりコンテストの化学分析部門で全国大会に出場した 末永 愛さん 久里浜在住 18歳
実験と分析に明け暮れて
○…薬品などを使いながら用意された水の硬度を求め、報告書にまとめる化学分析部門。小数下4桁までの測定値の正確性、実験技法、速さまで総合的に問われる。今月行われた全国大会、惜しくも上位3人には及ばなかったが「来られただけで十分。楽しかった」と表情は晴れやか。日本中の高校生で10人しか立つことの出来ない舞台で、実験と分析に明け暮れた3年間の成果を全て、出しきった。
○…生粋の”リケジョ”ではない。神明小では男子とサッカーで遊び、女友達とは裸足で外を駆け回った。中学は音楽部で琴の演奏。化学とは無縁で、趣味は手芸や料理。ビーズクラフトやアップルパイを作っては友達や家族を笑顔にさせていた。そんな「ものづくり」の楽しさを知っていたことで横須賀工業に進学。「機械科に進みたかったけど男子ばっかりで…」と興味がなかった化学科を選んだ偶然が、秘めていた才能を輝かせることになった。
○…授業中の薬品を扱う技術と素早さにセンスを感じた先生に誘われ、1年生で競技大会に出場するといきなり関東まで進み、注目を浴びた。2年目も上位に食い込み「次は絶対に―」と最後の1年は土日も登校して実験と分析の日々。交代で指導してくれる先生達に感謝しながら、薬品量を半適の単位で調整する精密な作業に没頭した。結果、3年目の関東では会心の出来で優勝を果たした。
○…1年生の頃、大会で保護メガネ着用を忘れる初歩的なミスをするなど、以前は人前で緊張しやすく慌てた失敗も多かった。しかし状況が常に変化するこの競技で、次に何をしてどの薬品を使うかなど瞬時に判断、行動するうちに、時々に合わせて対応できる力と余裕が出て来たと感じる。「どの環境でもなんとかやっていけそう」。「化学分析」に育てられて、今は自分にちょっと自信がある。身に付けた技能を活かせる工業メーカーの品質管理の仕事に、卒業後は挑戦する。
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