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横須賀・三浦 社会

公開日:2018.03.30

「子育て支援」住みやすさに直結
「再興プラン」でも柱に

 「人口減」をテーマに、市の成り立ちと推移、定住促進施策、地域での増減、他市との比較で横須賀市の現状に焦点を当ててきた。最終回では、社会増減と関係性の深い「住みやすさ」について考える。

 市は定住促進に関する「都市イメージ創造発信アクションプラン(2014〜17年度)」の事業を検証している。そのうち、「市民が感じる横須賀の魅力の変化」を12年・16年度のアンケートで比較した項では、「自然環境に恵まれている」が両年とも8割の回答。これに「充実した農海産物」「国際色豊か」が続いた。一方で、「通勤・通学の利便性」「道路・公園など都市基盤整備」「子育て支援の充実」の評価が下がっている=上グラフ。他自治体と相対的な比較で「見劣りしている」と感じているのではないか。

 また、「市民が優先すべきと考える政策」の調査で上位だったのは「子どもを産み育てやすいまちづくり」で、以下「安全安心なまち」「地域経済の活性化と雇用創出」―だった。これらの結果から、市民が求める現実的な「住みやすさ」とは何かが浮かび上がる。豊かな自然環境は大きな財産だが、市民生活の足元はどうか。こうした分析に、社会増減のヒントがあるのかもしれない。

目標達成より満足度

 2月に上地克明市長が掲げた「横須賀再興プラン」では、国や他都市に先駆けた子育て・教育政策の強化を挙げる。すぐに成果が出るものではないが、支援の取り組みによって好循環が生まれているのか、暮らし良いと感じられているのか。数値的な”目標”の達成度ではなく満足度の物差しに重点を置くことも必要だ。

道路事情の改善は

 前述のアンケートでは、道路など「生活の利便性」での評価の低下が目立った。都心へのアクセスは国道16号と横横以外に迂回ルートがなく、物流拠点、企業誘致などの経済活性にも弾みがつかないのが実情。実際的な距離よりも心理的に「遠い」という印象がある。

 昨秋、長年棚上げになっていた国道357号の八景島―夏島間の延伸計画がようやく動き出した。災害時の輸送経路確保や渋滞緩和などの期待もかかる。これに関連し追浜では再開発の動きもある。何を好機と捉えるか。一歩先を攻め入るアイデアが、人口減に立ち向かう突破口になるはずだ。

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