横須賀市が「子育て・教育環境の整備・充実」を最重点施策の一つに掲げる中で、市内では行政の事業だけでなく、親子の居場所やコミュニティを創出する民間の動きが活発化している。「子育て世代の親子でつながりたい」「気軽に頼れる場所を作りたい」という想いを持った当事者が立ち上げているのが大きな特徴だ。
市では現在、子育て広場「愛らんど」を市内6カ所に開設。母親たちの出会いの場、子育て情報の交換などに活用でき、子どもが遊べるフリースペースがあるほか、各地区のコミセンなどでも出張の親子サロンを定期開催している。
こうした行政の事業を活用しながらも「雨の日は行く場所がない」「市内で幼児と過ごす場所、小学生の遊び場が少ない」という母親らの声を受けて、今月1日に行われたのが「各地域に親と子の居場所を作ろう」と題した交流会。子育て中の親子や母親支援の団体・サークル関係者、市議などが意見を交わした。
参加者のひとり、永井由美さんは昨年11月、「ゆとりをもった子育てを支援したい」と遊び場とワーキング環境を併設したママ&キッズカフェ「結」を鴨居に開設。一時保育サービスの利用が予想以上に多いことから「(行政には)こうした要望に寄り添ってほしい。潜在保育士の活用など、街にとってプラスになると思う」と話した。また、追浜のパパママサークル「oppapamamaile(オパイル)」を運営する神馬彩夏さんからは「子育て支援の拠点を作りたい人と空き店舗等とのマッチングができれば」といった意見も。席上では市外自治体の事例を参考に「既存施設の有効活用や、中学校区などのコミュニティで支援拠点を」と官民連携への期待の声も上がっていた。
「保育士が作った遊び場」
昨年12月にオープンした「キッズスペースかざぐるま」(追浜南町1の28)。マンション1階の広さ約80平方メートルに授乳や飲食コーナーを完備。大きなブロックや電車、車の玩具などで自由に遊べる。
これを立ち上げた平本正さん=写真=は、市内の公立保育園に勤務経験のある保育士。自身も0歳・4歳児2人の子育て中だ。「親子で交流できるコミュニティスペースを作りたい」と思い描き、「やるなら、親としての目線が活かせる今」と退職して、自宅近くの追浜に設けた。
利用は1時間400円からの有料。子どもの様子を見ながら読み聞かせや手遊びなどを即興したり、離乳食や成長の相談を受けることもあるという。「居場所の選択肢が増えることで”横須賀で子育てできて良かった”と思えるようになれば。ネットで多くの情報は得られるけれど、コミュニケーションの場も必要。意義はあると思う」と話した。
横須賀版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>