中学時代に所属していた軟式野球クラブチームでコーチをしています。新型コロナがもたらしたインパクトは大きく、中学軟式野球の日本一を決する「ハマの甲子園」も今夏は開催中止になりました。選手が目標を見失ってしまわないだろうかと危惧しましたが、すでに気持ちの切り替えができています。「野球の道はまだ先がある。そのために何をすべきか」。そんな言葉を掛けてきましたが、しっかり受け止めてくれたようです。練習では一球への集中が増し、野球ができるという喜びを噛みしめながらプレーしている様子が手に取るように分かります。
思い通りにならない経験は、時に自分を成長させてくれます。自分は高校野球の強豪、桐蔭学園に進学し、順風の野球人生を歩んでいました。それが、3年生になってレギュラーの座を失い、最後の夏をベンチで過ごすことに。すべてを否定されたような気持ちになり、深く傷つきましたが、そこから見える景色にハっと気づかされました。控え選手の悔しい気持ち、レギュラーのやる気のない姿を見せられた時の気分、応援に込めた思いなど野球を違った角度から捉えることができたのです。
中学生が置かれている「我慢せざるを得ない」状況とは少し異なるかもしれませんが、今感じていること、見えていることを記憶にしっかり留めてください。この経験は価値があります。役に立つ時が必ず訪れます。
〈桐蔭学園─帝京大学。現在は横須賀市役所職員。37歳〉
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