図工教室「ず」代表で、「Xmas」をテーマにしたアート作品をパン屋に展示している 木下 美穂さん 馬堀海岸在住 54歳
神秘の世界へ導く芸術家
○…「Xmas」をテーマに、コロナ禍で閉鎖を余儀なくされたパン屋のイートインスペースをオリジナリティあふれる空間へと変貌させた。来店者がぐるりと店内を見渡す姿を遠目から見つめながら満足げに微笑む。「観音崎や走水の海岸で拾った木の葉や流木で制作したオブジェなど、ナチュラルな雰囲気に癒されてもらえれば」
○…千葉県生まれ。手先の器用さを生かし、専門学校卒業後は歯科技工士として働いた。幼少期から絵を描くのが趣味で、22歳の時に手掛けた祖父が孫を抱く作品を皮膚科医に勤めていた妹が気に入り、院内に飾ることに。その絵を偶然目にした千葉県立美術館元館長が絶賛。洋画家の山谷鍈一氏を紹介され、本格的に油彩を学び始めた。学生時代、美術部や絵画教室には所属しなかったが、ここで才能は開花。型にはまらない自由な発想で数々の賞に手にした。「感覚で描く力を養い、モノづくりの原点になった」と振り返る。
○…結婚を経て20年前に横須賀へ移住。アートに対する好奇心は尽きず、自宅に図工教室を開設した。現在約30人が在籍。Tシャツに豆乳とコーヒーで動物柄を染めたり、庭に貼ったテントを全身絵の具まみれになりながら色を塗るなど、ユニークな授業を展開している。「後片付けは大変。でも道端に咲く花が『なんて美しいんだ』とか、日常の神秘に気づくセンスを磨いてあげて、幸せをお裾分けしたい」
○…夫と息子、2匹のフレンチブルドッグと暮らす。嫁いだ娘が連れてくる2歳の孫とクレヨンで絵を描くことも。先月には馬堀小学校のグラウンドに整備した「苔の庭園」のデザインも手掛けた。「今の目標は変化に富んだ絵本を作ること」とニコリ。独創的な芸術の道を歩み続ける。
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