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公開日:2021.07.30

大津中陸上部
「目指すはテッペン」
男子400mリレー県新で全国へ

  • (左から)村松さん、木寺さん、別府さん、熊谷さん、飯島さん、関口さん

  • 全中に向けて気合十分な村瀬さん

 大津中学校陸上部が8月17日(火)から茨城県で開催される全国中学校陸上競技選手権大会(全中)に、6種目で出場する。その中でも特に活躍が期待されるのが、男子4×100mリレー。今月18日に三ツ沢陸上競技場で行われた神奈川県中学通信大会では、大会新記録となる42秒94をたたき出し、優勝校のみが出場できる全国への切符を手にした。



 「自分たちの走りを貫こう」。全中の予選を兼ねた県大会直前、チームを束ねる部長の別府公太郎さんは円陣を組んだ仲間たちを鼓舞した。



 その自信に満ちた言葉通り、周囲を寄せ付けない圧倒的な速さでトラック1周を駆け抜け、大会記録を塗り替えた。



 全中での走順は県大会と同様で、1走は村松駿平さん。スタートダッシュからそのままスピードを持続させる力が持ち味で、チームを勢いづける。バトンゾーンを含めると距離が長い2走は木寺嘉晴さん。180cmの長身を活かした大きなストライドが武器だ。冷静沈着な別府さんは、コーナリングと周りの動きに動揺しない精神力が求められる3走。「全国も1位でゴールする」と意気込むアンカーは熊谷エグゼイヴィア叶海琉(かみる)さん。この4人に飯島大智さん、関口和真さんの補欠2人のメンバーで臨む。



 全員3年生で、リレーメンバーは入部時から変わらない。初出場した大会では、熊谷さんのシューズが脱げてしまうというアクシデントに見舞われたこともあったが、村松さんは「悔しさも喜びもみんなで共有できるのがリレーの醍醐味」と笑みをこぼす。



 「目指すはテッペン」。メンバー6人が互いの顔を見合わせながら、息の合った声で全国制覇を見据える。



 陸上部顧問の荒井峻教諭は「普段から本当に仲の良いメンバー。彼らが掲げた目標を達成するその瞬間の姿、表情を間近で見てみたい」と選手たちの背中を見守る。



個人種目でも躍進大津中 強さの秘訣は「主体性」



 全中に出場する大津中陸上部は、個人種目でも注目が集まる。男子4×100mリレーメンバーからは、別府さんと木寺さんが100m、熊谷さんが110mハードル、村松さんが800mに、それぞれ県代表選手として選ばれている。同部女子で唯一、800mでエントリーを果たした村瀬音々羽さん(3年)も大舞台を駆け抜ける。



「先生越え」に期待



 村瀬さんは、今月3日にレモンガススタジアム平塚で行われた県中学選抜大会で、自己ベストとなる2分15秒96をマーク。これが全国標準記録を上回り、全中へと駒を進めた。同タイムは、もう一人の陸上部顧問で実業団のアスリート経験を持つ西村泰加教諭が、浦賀中在学時に出した当時の横須賀市記録にあと0・03秒に迫るもので、他の部員たちから「先生を越えろ」と発破をかけられている。



 元々は「サッカー少女だった」という村瀬さんは小学5年生の時、チームメイトと一緒にマラソン大会に出場し、優勝。この結果に自分の可能性を感じ、「横須賀リトルスクール」に入会。本格的に陸上を始めた。



 「全中に出られるなんて信じられない」。謙虚な姿勢を崩さず、学校周辺や馬堀海岸沿いなど、猛暑に負けず、日々淡々と練習をこなしている。今大会の目標は、しばらく間を置いてから「順位も大事だけれど、とにかく自分の記録を更新することに集中したい」と照れながら答えた。



「大会出場に感謝」



 同校陸上部は過去に、女子200mで税田ジェニファー璃美さん、男子3000mで内田隼太さんなど、全国出場選手を数多く輩出してきた。基礎メニューやトレーニング内容は部員自身で組み立てるのが伝統で、好成績を収め続けてきた理由はこうした部員一人ひとりの「主体性」にある。



 コロナ禍で昨年の全中は中止を余儀なくされ、部活の練習時間も短縮になるなど、先の見えない不安があった部員たち。それでも自主的に不入斗公園陸上競技場などの会場を手配し、学校外でも各々が取り組むべき課題と向き合ってきた。



 荒井教諭は「今年は大会に出れることに感謝。この一年間、懸命に努力してきた彼らを最高のモチベーションでスタートラインに立たせてあげたい」と後押ししている。

 

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