横須賀・三浦 社会
公開日:2023.09.22
戦跡保存全国シンポ
「新たな戦争遺跡はつくらない」
追浜から平和叫ぶ
戦争遺跡を通して平和の尊さを考える「第26回戦争遺跡保存全国シンポジウム 横須賀おっぱま大会」が9月16日からの3日間、追浜コミュニティセンターで開催され、市内外から320人が集まった。参加者は「海軍航空発祥の地」と呼ばれる追浜を舞台に、戦跡保存の意義について考えを深めた。
1996年から続く同大会。今回はかつて飛行場や海軍航空技術廠があり、戦前の日本海軍にゆかりの深い追浜の地で開催された。
初日は「全体会・講演会」として市民団体代表や研究者らが登壇し、戦跡をテーマにそれぞれの立場から論を展開。2日目は戦跡の「調査法」「保存運動」「継承」といった各分野について検討する分科会が行われ、3日目は追浜地区と三浦地区、浦賀地区3カ所で戦跡をめぐる現地見学会が行われた。
「戦争の負の側面」
全体会の基調講演に登壇した戦争遺跡保存全国ネットワーク代表の菊池実さんは戦跡を「人類への警告の場」と表現。戦跡が文化財として「近代化の躍動を体感」させるだけでなく、戦争の負の側面を伝えるものでもある点を強調した。
市民の目線から
同日には「地域報告」として市内で保存活動に取り組む2人が登壇した。NPO法人アクションおっぱま副理事長の青木猛さんは、追浜地区の旧軍事施設の一部が民間企業の敷地内に位置する点に着目。活用には「町ぐるみの運動」も続けつつ、企業への対応の仕方など新たな道の模索も必要だと主張した。
元市教委の野内秀明さんは市内戦跡保存・活用の現状と課題について解説。行政主導で市民のガイド団体が設立され、近年では行政による戦跡の整備・指定により案内の比重が高くなっていることを報告したほか、市民有志による保存活動の高まりにも触れた。
若い世代も参加
3日目、追浜地区で行われた見学会では東京湾第三海堡の遺構や、戦前に海軍航空隊が使用していた貝山地下壕を視察した。第三海堡は東京を防護するため海上に設けられた人工島で、現在は遺構の一部が夏島町に保存されている。
都内から研究活動のために参加した女性(21)は「過去の遺跡を守り、語り継いでくれる人達がいることに感謝しつつ、自分たちの世代がその役目を継承していきたい」と見学会を振り返った。
担い手の高齢化
今大会の実行委員を務めたアクションおっぱま理事長の昌子住江さんは「追浜は地域と行政の協働で戦争遺跡の保存・公開がなされてきたが、担い手の高齢化により次世代への継承が課題となっている。開催に尽力してくれた地域住民や学生には、今後も力を合わせて活動していってほしい」と今大会を総括した。
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