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横須賀・三浦 文化

公開日:2026.03.20

横須賀市市民大学特別講座
「美術館の枠を超える」
アートが繋ぐ未来、識者のトーク

  • 「美術館の枠を超える」 (写真1)

 アートを軸とした地域活性化や美術館の新たな役割を考えるトークイベントが3月14日、横須賀市市民大学特別講座として開かれた。会場の市生涯学習センターには、約80人の参加があった。

 建築家の永山祐子氏、滋賀県立美術館ディレクターの保坂健二朗氏、横須賀美術館アドバイザーの齋藤精一氏、横須賀美術館学芸員の冨田康子氏が登壇。

 テーマは「美術館と地域のデザイン」。美術館が、従来型の「作品の保管・展示場所」から「コミュニティ拠点」へと変化している時代の潮流を踏まえ、地域の課題解決や市民の居場所へと変容していく可能性について、それぞれが持論を展開した。

 保坂氏は、美術館を「よそ行きな応接間から、日常を過ごすリビングルームへ」と転換する重要性を強調。滋賀県立美術館では、地元企業の寄付を活用して土日の常設展を無料化し、公園の延長として市民が気軽に立ち寄れる環境を整えていることを報告した。孤独や孤立を防ぐ「社会的処方」としての役割にも言及。五感を刺激することで精神的な安寧や認知症予防に繋げているカナダの事例を引き合いに、「美術館が社会の役に立つことを示す必要がある」と語った。

 永山氏は、自身が手掛けたドバイ万博の日本館を大阪・関西万博へと継承したリユース・プロジェクトを解説。企業の協力を得て資源を循環させる仕組みをデザインの力で実現した経緯を明かした。

 無人島・猿島を舞台にした芸術祭を主宰した齋藤氏は、地域の歴史や地形を「地層」になぞらえ、アートを通じてそれを掘り起こす意義を強調。「外からの視点を取り入れることで、地域に眠る知恵や手法を再発見できる」と、アウトリーチの重要性を説いた。

 冨田氏は、教育の場としての役割について発言。「情熱の継続が難しい側面もあるが、数字では測れない個人の心の変化こそが成果」と述べ、美術館が美術という枠を飛び越えて機能していく未来を展望。教育、福祉、コミュニティの結節点となることが、美術館と地域の持続可能なデザインに繋がるとの認識を登壇者で共有した。

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