三浦市は先月26日、三浦市医師会と製薬大手の「エーザイ(株)」と3者で「認知症をみんなでささえるまちづくり連携協定」を締結した。認知症への理解を深め、早期発見・治療などを推進するもの。県内では横浜、横須賀に次ぐ3例目の締結で、吉田英男市長は「同社のノウハウを活かしながら、市民への浸透、ケアの仕組みを作っていきたい」と述べた。
三浦市の高齢化率は県内19市のなかで最も高い、37%。厚生労働省によると2025年には認知症の人は全国で約700万人にのぼるといい、「市民に関心を持ってもらうことが市の責任」と吉田市長は話す。
製薬大手の「エーザイ」は、認知症治療薬の開発・販売を行う一方で知識普及や人権啓発の講演、早期発見を促す健康フェアの開催などに取り組む。昨年末には小・中高生向けの教材を作成、販売している。市はこうしたノウハウを持つ同社と連携することで、高齢者や認知症の人が安心して暮らせるまちづくりを進めていきたいとしている。
今後は認知症の人やその家族を見守り支援する「認知症サポーター」の育成、教材を活用した研修、他自治体の取り組み事例などの情報協力を仰ぐほか、3月に横須賀市で開かれる市民公開講座の後援を行う。
あいさつに立ったエーザイの林秀樹代表執行役は、「認知症と共生する地域づくりに貢献していきたい」と話した。
切れ目のない医療と介護
同日には、三浦市と市医師会とで「在宅医療・介護連携に関する協定」の締結も行われた。
従来、制度ごとの縦割りだった保健医療と福祉。近年では急速な高齢化などにより、それぞれの分野でニーズが多様化しており、職種や事業を越えた横のつながりの強化が求められている。医師会の飯島康司会長は「超高齢化の波は待ったなし。切れ目のない医療と介護をいかに提供できるかが会としても重要な課題」と改めて強調した。
これまでにも市内の医療・介護の専門職、行政などを対象に研修会を実施。相互理解を深め、顔の見えるネットワークづくりを行っており、協定を契機に強固なものにしたい考え。
また、市は2017年度内に、在宅医療・介護連携の支援センターを設立。市立病院に窓口を設けてコーディネーターを配置し、一元的にケアマネジャーなどからの相談対応にあたる。「別組織で運営する事業をスムーズに繋げ、市民が相談しやすい環境をつくっていく」と吉田市長は展望を述べた。
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