今月10日に行われた「東日本女子駅伝」に出場し、区間3位に入賞した 清水 萌衣乃さん 県立逗子高校2年(16歳)
今を全力で駆け抜ける
○…18都道府県の女性ランナーがたすきを繋ぐ東日本女子駅伝。トップランナーの登竜門とも言われる大会に初めて出場を果たした。神奈川勢は3連覇のかかった大一番。主力メンバーの欠場から結果は無念の8位となったが、3区を駆けた自身は区間トップの1秒差に迫る快走を見せた。「むちゃくちゃ緊張したけど、強い先輩方と走れていい経験になった」。部顧問が「創部以来の逸材」と評する未完の大器は今、目まぐるしい速さで成長しつつある。
○…たかが1秒、されど1秒。会心の走りに喜びを噛みしめていると思いきやレース後に去来したのは言葉にならない悔しさだった。「割といいタイムで走れている実感はあったから」。芽生えた感情が、成長の証でもある。中学から長距離を始めたが、当時は県大会に手が届くかどうか。全国の選手と競うことなど想像だにしなかった。だが3年生の9月、横浜で出場した大会での走りが現在の顧問の目に触れた。「足の動きがいい。磨けばあの子は伸びる」。見立てに間違いはなかった。進学後1年目は地道に基礎を積むと翌年から県や関東大会で軒並み上位入賞を果たすなど頭角を現し始めた。
○…天真爛漫という言葉がよく似合う。日々のランニングは時に40Kmにも及ぶこともあるが「不思議と楽しいんです」と意に介さない。いつもポジティブに、笑顔を絶やさず。そんな姿勢は自然と周囲にもいい雰囲気をもたらす。部活に勉強と多忙な日々の楽しみは食べること。好物を問うと「たこ焼きです。女の子っぽくないですよね」とくすくす笑う様子があどけない。
○…「7年後のヒロインがここから生まれるかもしれない」が今大会のテーマだった。五輪への青写真はあるのか、つい尋ねた。「今は高校最後の年のことだけ。日本選手権とインターハイに出るために今を精一杯がんばりたい」。目先のことに全力で取り組んだ先にしか、道は続かないということがすでに分かっているのだ。
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